お金を借りるのに必要なものとは?ローンの種類別に紹介
お金を借りるのに必要なものは、借入先によってバラバラ。
そのため自分がどのローンを利用するかによって、準備に必要な時間や労力が大幅に違うんです。
ただ本人確認書類や所得証明書類など、どの借り入れでも基本的に必要となる書類もあります。
お金を借りるために必要なものをあらかじめ把握しておくと、お金を借りる直前で慌てずに済みますよ。
この記事では、お金を借りる際に必要なものを、借り入れの種類ごとに解説していきます。
借り入れに必要なものがすぐ用意できるよう、この記事を最後まで読んでおいてください。
まずは、どんな借入先でも必要となる2つの書類について説明していきます。
本人確認書類と所得証明書類は借り入れの際に必須の書類
本人確認書類と所得証明書類は、基本的にどのローンと契約する場合でも必要です。
それぞれ解説していきます。
お金を借りるのに必要な書類1.本人確認書類
借入先が貸金業者や金融機関、信販会社などに関わらず、個人がローン商品を利用する際に必要となるのが、本人確認書類です。
本人確認書類がなければ、申込書に書かれた名前や住所などの連絡先が、本当のものかどうかわかりません。
名前や連絡先も知らない人に、金融機関がお金を貸してくれるはずがありませんよね。
お金を貸した後に、返済を促す連絡をしたり自宅に訪ねたりできなければ、返済してもらえないリスクが高いからです。
本人確認書類として利用できる書類例は以下のとおりです。
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証と住民票
- 外国籍の方は「在留カード」か「特別永住者証明書」
引っ越したばかりの場合など、身分証明書の住所表記が現住所と異なる場合は、下記のいずれかの書類コピーも合わせて必要になります。
- 納税証明書(国税・地方税の領収書)
- 社会保険料の領収書
- 公共料金の領収書(電気・水道・ガスなど)
- 住民票の写し
またお金を借りる際、身分証明書類に加えて必要となるのが所得証明書類です。
つづいて所得証明書類について解説します。
お金を借りるのに必要な書類2.所得証明書類
本人確認書類と同じぐらい必要になるのが所得証明書類です。
借主に所得がなければ、貸したお金を返してもらえません。
借主の所得を確認するための書類が所得証明書類です。
所得証明書類として利用できる書類例は以下のとおり。
- 源泉徴収票(最新のもの)
- 給与明細書(直近2ヶ月分)
- 確定申告書(最新のもの)
- 納税通知書(最新のもの)
本人の確認と所得の確認ができないと、基本的にお金は貸してもらえません。
先に説明したように、身分証明書と所得証明書の2点は、お金を借りる際には原則必要となる書類と考えておきましょう。
次はカードローンへの申し込みに必要な書類について解説していきます。
【カードローンの場合】必要なものは本人確認書類と所得証明書類
カードローンの申し込みに必要な書類は、基本的に本人確認書類と所得証明書類のみ。
消費者金融カードローンであっても銀行カードローンであっても変わりません。
さらに借り入れる金額によっては、本人確認書類のみで利用できる場合もあります。
所得証明書類が必要となるのは、以下の場合。
- 50万円を超える借り入れを希望する場合
- 他社借入と合わせて借入金額の合計が100万円を超える場合
ただし審査の過程で必要だと担当者に判断されれば、上記以外の場合でも所得証明書類の提出が必要です。
なお今回紹介するローンの中で、必要書類が一番少ないのは大手消費者金融カードローンです。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
つづいては、カーローンなどの目的ローンについて見ていきましょう。
【目的ローンの場合】必要なのはその目的に使うという証明書類
カーローンやリフォームローン、住宅ローン、教育ローンなど、資金使途が限られた目的ローンの場合は、本人確認書類と所得証明書類に加えて、資金使途確認書類が必要となります。
資金使途確認書類とは、借りたお金を何に使うかの証明ができる書類のこと。
以下が資金使途確認書類の例です。
- 請求書
- 契約書
- 注文書
資金使途確認書類は、買うものの種類によって書類の名前が違います。
車を買うためにカーローンを利用するなら、買う車の見積書や注文書など、物件を買うために住宅ローンを利用するなら不動産売買契約書などです。
どちらも、何を買うためのお金なのかということを証明するという役割自体は、共通していますよね。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
一般的に目的ローンの方が金利が低くなっています。そのため本当にその目的でお金を借りるのかを証明する必要があるということですね。
つづいては、国からお金を借りる場合に必要となる書類について解説していきます。
【国からお金を借りる場合】必要な書類は多数ある
銀行や貸金業者、信販会社以外に、国からお金を借りる方法もあることをご存じですか?
国から借りられるお金のことを公的融資金と言います。
公的融資金は利用できる人こそ限られるものの、利益を目的としていない貸し付けのため無金利で借りられるものも多いです。
そのため対象となっていればぜひ利用したい借入制度ですね。
ここでは生活費や臨時で必要となったお金や生業を営むためのお金、教育費などに幅広く利用できる生活福祉資金貸付に申し込むために必要な書類について解説します。
生活福祉資金貸付に申し込むために必要な書類は6種類
生活福祉資金に申し込むために必要な書類は、以下の6つ。
- 借入申込書
- 世帯全員記載の住民票(世帯主、続柄、本籍などすべて記載されたもの)
- 健康保険証・被保険者証
- 所得証明書(学生を除く世帯全員分)
- 個人情報保護に関する同意書
- 生活福祉資金貸付確認申請書
※上記の書類以外の提出も求められる場合があります。
各申込書は、各地の社会福祉協議会のホームページからダウンロード可能です。
本人確認のための書類や所得証明書類に加えて、住民票や同意書など、必要な書類が多くなっています。
さらに、住民票や所得証明書はその世帯全員分のものが必要など、準備が大変です。
ただ審査に通過さえすれば、無金利で借りられる可能性も高いので、貸付対象となっているならば、まずは生活福祉資金貸付に申し込むべきでしょう。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
2021年現在は新型コロナウイルス感染症により生活に困窮する人へ向けた特例貸付が行われています。利用したい人は対象かどうか確認しておくといいでしょう。
次は、事業資金を借りる場合に必要となる書類を紹介します。
【事業資金を借りる場合】会社の資料が必要
事業資金を目的としてお金を借りたい場合、政府がサポートする日本政策金融公庫などの公的金融機関や民間金融機関となる銀行などからお金を借りることになります。
銀行融資のなかでも、融資審査を通過しやすくするために、組織として保証人となってもらえる信用保証協会の保証付き融資や、銀行がすべてのリスクを請け負って直接融資となるプロパー融資など細かく分けることができます。
法人や個人事業主がお金を借りる方法は実にたくさんあるので、借り方によって必要となる書類が異なると理解しておきましょう。
たとえば事業融資を求める法人であれば、その所在・事業実態など確認するために、登記事項証明書や会社として資金を借りる意思確認も含めて印鑑証明書なども必要となります。
その他にも準備しなければならない資料が、以下のとおり多数あります。
- 税務申告書
- 決算報告書(確定申告書)
- 勘定科目内訳明細書
- 登記事項証明書
- 納税証明書
- 印鑑証明書
法人や個人事業主として事業資金を借りる場合には、個人レベルの借り入れでは関係のない書類を準備する必要もあるので手間がかかります。
責任が個人ではなく法人(会社)となるため、信頼できる会社かどうかを金融機関は調べるためです。
また貸し付けるお金が、個人に比べて高額になることが多いという点も理由として考えられるでしょう。
これまでに紹介した個人向け融資の際に必要だった本人確認書類と所得証明書類の、証明対象が会社になった書類と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
また金融機関からお金を借りる際、担保や保証人を要求されることもあります。
法人として借りる場合は代表者が連帯保証人になることを条件とするケースもあり、その場合は保証人になることを認める承諾書が必要なケースもあるということを覚えておいてください。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
事業資金を借りる場合、どうしても高額になることが多いです。事業の実態を調べて返済能力があるか確認されるということですね。
つづいて、書類を提出する際に注意すべきポイントについて説明します。
書類の提出時に注意すべきポイント
それぞれのローンに必要な書類を提出する際に、気を付けるべきポイントは以下の3つです。
- 必要書類の写真は鮮明に写す
- 誤字脱字をチェックする
- 虚偽の申請をしない
それぞれ詳しく説明していきます。
必要書類の写真は鮮明に写す
最近では、インターネット上の操作のみで申し込めるローンが増えています。
たとえばプロミスでは、スマートフォンの専用アプリから新規契約をすることもできるサービスも提供しています。
プロミスだけでなく大手消費者金融のカードローンや、銀行カードローンなども基本的にインターネット経由で申込可能。
インターネット経由で各種ローンと契約する場合は、本人確認書類などは写真を撮って送ることになります。
その際に必要書類を写した写真が不鮮明であったり、フラッシュによる白トビ、一部が見切れて全体が確認できなかったりしていないか、送信前に必ずチェックしましょう。
必要書類の情報がちゃんと確認できないと、書類を送りなおすことになり余計な手間がかかってしまいますよ。
誤字脱字をチェックする
ローンを申し込むための書類が完成したら、申込書に記入した内容に間違いがないかを改めてチェックしましょう。
電話番号などの連絡手段に不備があった場合は、審査結果の連絡が届かず待ちぼうけになってしまう可能性もありますよ。
虚偽の申告をしない
「審査に通るか不安だからちょっとだけ年収多めに書いておこうかな・・・」
「他社からの借り入れは少な目に書いておこう」
審査に絶対に通りたいと思っていると、ついつい自分の情報を良く書いてしまいそうになります。
ただし各ローンは審査の際に、個人の信用情報が保管されている信用情報機関で申込者の情報を照会します。
その際に、申込者の借入件数や他社借入金額などの正確な情報が判明します。
また年収を多めに書いても所得証明書を提出すれば必ずバレてしまいます。
もしそれらの申告が審査担当者から虚偽の申告だと判断された場合は、審査落ちの原因になってしまいます。
申込書には正確な情報を記載することを心掛けましょう。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
書類の不備は時間のロスになります。送る前にもう一度確認することが大切です。
ここまでは、各ローンを申し込むための必要書類について解説してきました。
必要な書類の数が少ない方が申し込むのは楽そうですよね。
しかしローンを選ぶ際に大切なのは自分に合っているかどうかです。
申し込みの簡単さだけでローンを選ぶと損する場合があることを、次の項目で解説していきます。
借入先は必要書類の数だけで決めない
借入先は、必要書類の少なさだけで決めるのではなく、借り入れをする目的と照らし合わせて決めましょう。
というのもカードローンは、他のローンと比べて提出書類の少なさと利用使途の縛りのなさ、申し込みやすさにおいては圧倒的に優位です。
ただしそのぶん金利が高めに設定されています。
たとえば同じSMBCグループの消費者金融カードローンと銀行カードローン、カーローンの金利を比べてみましょう。
借入先 | 金利 |
---|---|
プロミス | 年4.5%~17.8% |
三井住友銀行カードローン | 年1.5%~14.5% |
三井住友銀行マイカーローン | 年4.475%(変動金利) |
それぞれの上限金利で比較していきます。
なぜなら初回利用時は、ほとんどの場合上限金利が設定されるからです。
まだ利用実績のない間は、貸したお金を本当に返してくれる人なのかわからないため、金融機関側は上限金利を設定します。
返してもらえなかったときのリスクを少しでも下げるためです。
そう考えると、大手消費者金融カードローンのプロミスと、三井住友銀行のマイカーローンでは、13%ほどの差がありますよね。
この差が実際にどれくらい支払い金額に影響するのか、80万円の中古車を3年間で完済する計画で各ローンから借り入れた場合の総返済額を見てみましょう。
借入先 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
プロミス | 28,841円 | 1,038,284円 |
三井住友銀行カードローン | 27,536円 | 991,307円 |
三井住友銀行マイカーローン | 23,788円 | 856,368円 |
大手消費者金融と三井住友銀行マイカーローンとの間には、20万円近い支払い利息の差があります。
20万円近くあれば、車検だって受けられますよ!
即日融資も可能なカードローンは、確かに便利。
しかし高額融資には不向きな一面もあります。
ですから利用する目的に合ったローンがある場合、そちらを先に検討しましょう。
また必要書類が少な過ぎる場合は、違法な闇金の可能性がありますので、利用前に闇金でないことをしっかりと確認してください。
要求資料が少なすぎるのも注意が必要
申し込みに必要な書類が少なすぎる借り入れがあれば、闇金ではないことをしっかり確認しておきましょう。
テレビCMなどでお馴染みの消費者金融などは、以下のとおり大手銀行の傘下に入っているため、安心して利用できます。
消費者金融名 | 親会社 |
---|---|
プロミス | SMBCグループ |
SMBCモビット | 三井住友フィナンシャルグループ 100% |
アコム | 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
レイク | 新生銀行グループ |
上記の消費者金融以外で、たとえば身分確認だけでいいなど、必要書類が少な過ぎる場合は違法な闇金の可能性を疑ってください。
返済してもらうことが前提で貸してもらえるのに、返済能力をキチンと審査・評価しないのは何か裏があるんです。
闇金からお金を借りてしまうと、法外な金利や取り立てに悩むことになりますので、絶対に避けなければいけません。
利用しようとしている貸金業者が少しでも怪しいなと感じたら、まずは金融庁が設けている登録貸金業者情報検索サービスで正規の貸金業者かどうかを調べるようにしましょう。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香
まとめ
お金を借りる方法と、その用途はさまざまです。
そのため、それぞれのローンを申し込む際に必要なものもバラバラ。
共通しているのは、基本的に本当に本人なのかと返済能力があるのか、借りたお金を何に使うのかを知るための書類が必要な点です。
申込時に足りない書類が見つかって慌てるなんてことがないように、あらかじめ必要なものを用意しておきましょう。
ローンを申し込む前には、ぜひこの記事を参考にしてください。
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表 / 安部 智香