IT導入補助金の平成31年度(2019年度)の支給金額や前年度との変更点を調査
中小企業や小規模事業者の方々なら、昨年からなんとなく耳にして、そして気になっているのが「サービス等生産性向上IT導入支援事業」、通称「IT導入補助金」ではないでしょうか?
今年度も2月7日に、第二次補正予算が成立し、IT補助金制度が行われることが決定しました。
しかし、内容には大きく変動があるようです。何か違うのか、詳しく説明していきます。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者などがソフトウェアやサービスなどのITツールを導入する際、導入にかかる経費の一部を国が補助してくれる制度のことです。
企業の努力だけでは難しいITツールの導入経費を一部でも補助することで、業務の効率化や売り上げのアップをサポートし、中小企業や小規模事業者の活性化を目指しています。
引用:一般社団法人サービスデザイン推進協議会.2018
【支給率】ITツール導入にかかる費用の半分が支給
IT導入補助金を使えば、ITツール導入にかかる費用の半分を国が負担してくれます。
つまり、半額でITツールを導入できるわけですからIT導入補助金を利用しない手はありません。
一般的にITツールを導入しようとした場合の、費用相場は以下になります。
開発内容 | 費用相場 |
ECサイト | 50万円~ |
SNS | 100万円~ |
検索機能 | 80万円~ |
メールフォーム | 3万円~ |
ITツールで何が必要なのかは、企業によりまちまちです。しかし、通常コストの半分を国が負担してくれるのであれば、使わないのは企業にとって損になると言えます。
ぜひ積極的に、取り入れたい制度です。
【補助額】1企業あたり上限450万円まで補助される
平成30年度のIT導入補助金では上限50万円でしたが、平成31年度では上限450万円にまで引き上げられました。下限金額も15万円から40万円へと引き上げられています。
年度 | 上限金額 | 下限金額 | 補助率 |
平成30年度(2018年度) |
50万円 | 15万円 | 1/2 |
平成31年度(2019年度) |
450万円 | 40万円 | 1/2 |
つまり、900万円のITツールを導入する際、平成30年までは50万円しか補助されず、残り850万円は自社で負担する必要がありましたが、平成31年からは450万円も補助してもらえるので、半額の450万円を負担するだけで済むのです。
上限金額の変更により、大規模なITツールを導入する企業にとっては非常に嬉しい結果となりました。
【採択予定数】平成31年度の採択予定企業数は約6,000件
(1)平成31年度の補助金全体予算は100億円
年度 | 全体予算 |
平成30年度(2018年度) | 500億円 |
平成31年度(2019年度) | 100億円 |
平成30年度の全体予算は500憶円でしたが、平成31年度は100憶円と発表されました。つまり前年度の1/5に引き下げられたことになります。
「400憶円も引き下げられた」と聞くと不安になる人も多いと思いますが、実際は平成30年度に実施したIT導入補助金が約400憶円余ったため、平成31年度ではあらかじめ予算から400憶円減らしたとされています。
つまり「400憶円の予算があったのに100憶円しか使わなかったから、今年ははじめから予算100憶円でいこう」というわけです!
しかし、安心してはいけません。採択の予定件数は非常に厳しいと予感されています。次の章で詳しく説明していきます。
(2)採択予定件数は6000件!厳しい戦いの予感…
年度 | 全体予算 | 1企業あたり(最大) | 採択予定件数 |
平成30年度(2018年度) |
500億 | 50万円 | 13万件 |
平成31年度(2019年度) |
100億円 | 450万円 | 6,000件 |
平成30年度のIT導入補助金は、全体予算が500憶、1企業あたりの支給額の上限が50万円だったため、採択予定数は13万件でした。
しかし、平成31年度は、全体予算が引き下げられて100憶円になったにもかかわらず、1企業あたりの上限が450万円と引き上げられたため、採択予定件数は6,000件と、非常に少なくなっています。
平成30年度の採択数は約2万件(二次公募含む)だったので、同じ数だけも応募があったとすると、平成31年度の競争率は3.33倍に…!
二次公募があったとしても採択されるのは非常に難しいと予想されます。
IT補助金制度を活用したいと思うのであれば、一次公募のうちに応募するほうがいいでしょう。
【対象ツール】ホームページ制作は対象外
対象 |
・会計ソフト |
対象外 |
・パソコンやタブレット等の導入 |
IT導入補助金の対象となるITツールは、日々の経理を効率化する会計ソフトや、顧客情報などを一元管理するクラウドシステム、職員間のコミュニケーション・システム、飲食店のセルフオーダーシステムの導入・設定費用などです。
平成30年度では対象だったホームページ制作等は、平成31年度からは対象になりません。
ホームページ制作に国の補助を求めたいと考えるのでれば、【小規模事業者持続化補助金】を利用してください。
IT導入補助金の申請方法
(1)申請方法
引用:一般社団法人サービスデザイン推進協議会.2018
IT導入補助金を受け取るために、すべての申請を1から1人でしないといけない、と考えると、面倒だと思ったり、頭を抱えたりしてしまう人も多いと思います。
しかし実は、IT導入補助金には、申請をサポートしてくれる企業(IT導入支援事業者)がたくさんあります。例えば弊社プラスワンも、IT導入補助金の申請をサポートできる企業です!
ただし、申請をサポートしてもらっていても、「交付申請」「事業実績報告」「事業実施効果報告」は、中小企業・小規模事業者が作成(入力)する必要があります。
(2)申請にあたっての注意事項
導入したいITツールは、IT導入補助金運営事務局によりあらかじめ決められています。自分の企業が導入したいツールが、IT導入補助金運営事務局で登録されているツールかどうか、まずは申請前に必ず確認してください。
登録されていないツールの場合は、補助金を利用することはできません。
また、ITツールを導入するタイミングは申請が採択された後です。採択される前にITツールを契約したり、発注や導入してしまったりという場合には、補助金の対象外になります。
(3)実施期間はまだ未発表(平成31年2月19日現在)
実施時期は、平成30年度同様に4月頃が予定されていますが、公式にはまだ発表されていません。
前年度からの予測は下記の通りです。
・3月頃 IT導入支援事業者の募集
・4月頃~ IT導入補助金1次公募開始
・6月以降 IT導入補助金2次公募開始
正式に発表され次第、またお知らせさせていただきます!
まとめ
IT導入補助金は予算消化型の制度です。平成30年度も、採択件数に対して多くの交付申請が行われ、回を重ねるごとに不採択率も増えていきました。
また、平成31年度は消費税改正を控えており、消費税10%対応や軽減税率への対応ができる基幹システムに変更を検討している企業が、多数の申請を行う可能性があります。
予算消化型である以上、1次公募での申請を済ませたほうが有利であることは間違いないでしょう。
「改善したい業務がある」「従業員の作業時間を減らしたい」など、現状に問題を抱えていらっしゃる中小企業・小規模事業者の方!是非この機会に、業務の見直しを図り、「補助金を活用した、生産性向上のためのシステム導入」を検討してみましょう。
記事の投稿者 プラスワン編集部
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