空きスペースを有効活用するイベント事業をスタート
――久しぶり~!元気だった?髪形イカツくなったんじゃない?
中野:お久しぶりです。元気ですよ!髪型ですか?これが本来の僕です。プラスワンの時には少し遠慮していたんですよって、ウソですけど(笑)。
――じゃ、いきなりだけど事業を始めたんだよね。そこんとこ、詳しく!
中野:ほんまにいきなりですね(笑)。「レンタルスペース」って知ってます?
――貸し会議室とか、なんかのっぺりとした場所だけ貸してくれるってやつだよね。
中野:バーや普通の家のリビング、京都だったら庭園とか、実はいろんな場所で、使っていない時間にその場所を貸し出してるんですよ。
そのスペースの活用方法を考えて、貸し出している側へ集客支援をする事業をしてます。
――う~ん、わかりにくい。もっと具体的に説明してもらっていいかな?
中野:例えば、amazon primeで配信されている「ドキュメンタル」って知ってます?
毎回10人の芸人が自腹の参加費100万円を手に密室で笑わせ合い、笑った人はその場から退場しなくてはいけないっていうものなんです。
学生の間ではめっちゃ人気番組なんですけど、それを再現できるような「笑ってはいけないスペース」っていうのを、僕らは提供しているんです。
何もないスペースを、その場所に合わせてプロモーションして売っているって感じですね。
※詳しく見たい方はこちら
――なんか面白そう!でもそれ、儲かるの?
中野:詳しくは内緒ですけど、そこのレンタルスペースの利用料に、僕らのプロモーション代を上乗せして、時間料金をとっていくかたちですね。
あとは、そのスペースやイベント用に製品を作り上げて、それをそのままレンタルスペースに販売することで収益を得たり、集客までの一連の流れを作って、それでお金をもらったり。方法はいろいろです。
いま、京都と大阪のレンタルスペースで20~30件と提携してます。
提携先からしたら、宣伝してくれるし、集客もしてくれるし、お金も入るしで、とくにデメリットないじゃないですか。ガンガン営業かけてます(笑)。
――いま、会社は何人でやってるの?
中野:3人です。もともと会社やろうって話をして、先にいろいろ手掛けていたヤツと、もう1人は理系のキャンパスでナンパしました(笑)。
この時代、何をするにも技術系のやつはいるよなぁって思ってたんですけどね。
友達から、パソコンの勉強してて、ゲーム作ってるヤツがいるって聞いたんで、会いに行ったんですよ。
ゲーム作れるんだったら、一緒の要領で覚えていったら、まあなんでもできるやろって謎の自信を持って誘ったら、いいよって言ってくれたんで(笑)。
――起業準備とか大変じゃなかった?
中野:実は結構、簡単に起業できるんですよ。法律も昔と変わったんで、23万くらいあったら起業できちゃうんですよね。
――23万円・・・すごいリアルな金額だけど、バイトを数か月したらなんとかなりそうな金額よね。
中野:運用資金とかはもちろん別に必要ですけど、僕らの事業的に、最初にお金がめっちゃ必要ってワケでもないじゃないですか。
それに、起業するっていったら、まず事務所の場所借りて、メンバーの給料分お金貯めて、商品作り始めて、準備整ってから世に出す、みたいな感じだと思ってたんですけど、それって時間もかかりすぎるし、考えるだけで大変そうだなぁと思ったんで。
とりあえずやれるとこまでやって、それで考えていこうってスタンスで初めて。いま結構順調に進んでるって感じですね。
―ところで、ずっと気になっていたんだけど会社名「K-Pubblico(ケイ パブリコ)」の由来は?
中野:僕の名前が圭(けい)で、一緒に始めた友達のイニシャルもKだったので、まずはKは使おうかなと。
で、Pubblico(パブリコ)はポルトガル語で「公共の」って意味なんですよ。レンタルスペースの事業をやり始めたし、僕らのプライベートな場所も公共の場のように使ってくれたらいいなという想いでつけました。
今は、僕とメンバー自身を公共のものにしていこうと思ってますね。みんなのものだよってね(笑)。
――アイドルかよっ(笑)。でも、そういうの、嫌いじゃないよ。
プラスワンのインターンで一緒のS君に刺激を受けて起業への想いがより強くなった
――今の中野君にとって、プラスワンのインターンって役立っているかな?
中野:お世辞でもなんでもなく、正直な話、プラスワンのインターンに参加していなかったら、起業はまだまだ先になっていたと思います。
学生で社会のことなんて何も知らない状態で、しかも初めてのインターン体験だったので、これで正解なのかもわからない怖さもあったんですけどね。何もないところから皆で考えて、社会というものがどんなものなのかを知ることで、その怖さがなくなりました。
プラスワンの長期インターンに参加したからこそ、学生のうちに起業したいって想いが強くなったと思います。
それに、同じ一期生としてインターンに参加していたS君と関われたっていうのも、自分の中では結構大きな刺激になったんですよ。
――S君から?どんな刺激を受けたのか詳しく教えてくれるかな?
中野:彼は京都ばかりじゃなくて、東京とかでもいろんな企業のインターンに参加した経験があるから、考え方が他のみんなよりも理路整然としていたんですよ。
インターンのみんなでミーティングをしていても、彼がその仕事をするならこう考えないと…みたいな、考え方の説明をしてくれて。それを聞いているうちに、ちゃんと筋道の通った物事の考え方が理解できた感じですね。
あ~こうやって考えていったらいいんだ…って、なんかぱぁっと開けたような気持になったんです。
――社会に対する理解が深まっただけでなく、インターンを通じていい人にも巡り合えたってことだね。いまの事業って、インターン中にもなんとなく考えていた内容だった?
中野:内容的には全く違いますね(笑)。
でも、学生と社会人の違いとか、社会人だからこそもっと勉強しなくちゃとか、そういうことは、インターン中に考えるようになりました。
だから、InstagramとTwitterとYoutubeのアカウントを消しました。僕らの世代っていうか、学生ってこの3つにめちゃくちゃ時間を費やすんですよ。面白いんで、いくらでも見れちゃうんですよね。だから封印しました。
――今の時代、SNSは必須じゃないの?消しちゃって大丈夫?
中野:その代わり、チェスのアプリとニュースサイトを入れて、本を読むようにしたんです。そしたら、日ごろからものすごく頭を使うようになったんですよ。
自分の生活の時間が変わって、かっこいい言い方すると、自分と会話するようになりました(笑)。
――自分と会話する男、中野圭!
中野:うわっ、ダサッ。これもうタイトル決定ですか?めっちゃきもい、誰も読まへん(笑)。
でも、自分と会話することで、新しいアイデアが出てくるようになりました。あとは、正当化しないことを心掛けてます。
――正当化しない?なにを?
中野:自分に言い訳しないというか、きれいごとを言わないというか。
例えば、早起きするはずだったのにめっちゃ寝てしまった時って、「よく眠れたし、まあいっか」って思わないようにしてるんです。
「まぁいっか」って思ってしまうと、いつかボロが出ますし、人としてダサいなって思って。ダサい人間になりたくないんですよ。
――自分と会話する、正当化しない男、中野圭!
中野:さらにダサくなった!それ、タイトルに使うの絶対に止めてくださいよ(笑)。
海外を視野に。さらなる高みを目指す
――K-Pubblicoの将来のビジョンは考えてる?
中野:もちろん!現状に満足しているわけじゃないし、僕らもうひと伸び、いやもうなん伸びかしたいと思っていて、今の事業に付随することで新しい案を考えているんですよ。詳しくは言えませんけど、日本だけに留まっていたらだめだなって思って。
―おぉ。なに、海外進出?
中野:この前、企業研究として、アメリカのシリコンバレーまで行ってきたんですよ。IT業界をいろいろ見てきたんですけど、日本はなめられているなって感じたんです。
僕らの事業は別にITじゃないですけど、もう悔しくて、早く海外進出したい、超あいつら見返したい!って思ってます。
――具体的には?
中野:海外となると日本と何もかも違うし、日本より人脈つくりにくいし、このまま学生の延長線上でやってたらうまくいかないとは理解してるんで。戦略を練り中ですよ。
あ、あと英語をめっちゃ勉強しています。TOEICの点数も今までより300点もアップしたんですよ!すごくないですか、300点(笑)。でも、まだまだ現地の人と仕事として会話するには足りないと思ってるんで、勉強は続けます。
――元の点数は決して言わないね…。でも、英語で悩んだら帰国子女の私に相談してもいいよ?(笑)。最後に、起業したいけどなかなか踏み出せない学生へメッセージをもらえるかな?
中野:僕ら、めちゃくちゃ成功してるわけではないんで、えらそうなことは言えないんですけど(笑)。
でも、とにかく“これ面白いんちゃうか”って思ったことは、全部やってみることですね。躊躇なんてしてないで。何か足りないとか、人がいないとか、そういうのって、全部言い訳だと思うんです。
そして、諦めないことです。学生で起業してるなんて言うと、やっぱり周りからは胡散臭いみたいな感じで見られたり、すぐに失敗するんじゃないの~みたいなことを言ってきたりするんですよ。
そういうことを言われ続けると、うまくいかない時には諦めそうになるんです。僕も実際、一度は止めようかなって思ったんですけどね。でも、そこで諦めなかったから今こうしてやっていけてるので。
まぁまずは、InstagramとTwitterとYoutubeを消すところから、初めてみてください(笑)。
インタビューを終えて
いかにも今どきの大学生然としていた中野君が、インターンを卒業して5か月。この、たった5か月の間に、事業を立ち上げ、提携先を20も30も開拓し、世界進出を目指して実際に動き出すまでの男に成長していました。
彼は、プラスワンのインターンを体験したおかげで、より自分で起業したい、自分の力を試してみたいという気持ちが高まったと言ってくれました。それに、一緒に入った一期生と出会えたのがいい経験になったと言っていました。
プラスワンはベンチャー企業だから、大手企業のように、インターンをお客さん扱いはしません。実践力として、0から自分で仕事を作り出すことを推奨しています。それが、起業したいという気持ちにつながったのであれば、私たちもインターン生を迎え入れて本当に良かったと思います。
もし、自分で考えて仕事を作り出したいと思っているなら、まずはプラスワンのインターンで自分の力を発揮してみませんか?私たちはそんな、気概のある学生の応募を待っています。