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2023/10/25

 

事業資金調達でビジネスローンの借入をしている中小企業経営者や個人事業主は多いことと思います。

しかし、その借入や返済に関してどのような経理処理をしたらいいのかわからない事業主もいるかもしれません。

経費になるかならないかの仕訳がわからないままでは、納めなくてもいい余計な税金を納めることになります。

特にこれからビジネスローンを利用しようと考えている事業主は、その点も理解した上で利用しましょう。

今回はビジネスローンの経費と仕訳に関して解説します。

ライター嶋崎の実物写真

【ライター】嶋崎
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
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ビジネスローンは経費にできる?

ビジネスローンに限らず、融資の借入金は銀行融資や公的融資でも経理上の扱いは同じです。

まずは借入金や返済金と経費の関係について解説します。

ビジネスローンの会計上の扱いは借入金

仕訳上、ビジネスローンも銀行融資、日本政策金融公庫、地方自治体の制度融資も、事業資金を調達するための融資としては同じ扱いで、会計上は借入金となります。

仕訳をする場合の違いは、長期借入金か短期借入金かという違いだけです。

一般的に1年以内の返済であれば短期借入金、1年を超える返済であれば短期借入金として処理します。

法人カードローンは短期借入金

プロミス自営者カードローンに代表されるカードローン形式のビジネスローン(法人カードローン)は、追加融資をしていると返済は1年以上になることもあります。

しかし、カードローンは1年で自動更新となるので、通常は短期借入金として処理します。

証書貸付方式は長期借入金にもできる

一方、AGビジネスサポートではカードローン方式の他に、証書貸付方式でビジネスローンを組むことができます。

証書貸付方式は返済期間を選ぶことができるので、1年を超える返済期間の場合は長期借入金として処理しましょう。

ビジネスローン以外の金融機関からの借入も同様に返済期間によって仕訳します。

ビジネスローンの利子は経費にできる

個人事業主に「利子割引料」という勘定科目に振り分けられる経費があるように、ビジネスローンを含めた事業資金を資金使途とした融資の返済金のうち、利息部分は経費として処理できます

ただし借入元本については経費としては認められません

経費はコストとして支出したお金ですが、元本は一時的に借りて、最終的にはそのまま返すお金だからです

仕分けする場合は返済金を元本と利息に分ける必要があるので、返済予定表などは必ず保管しておきましょう。

また利息だけでなく、借入するために必要な印紙代などの実費や、事務手数料も経費として処理することができます。

ビジネスローンの仕訳方法

ビジネスローンを利用した場合の一般的な仕訳例をご紹介します。

借入時の仕訳

100万円を借りた場合、左の借方には現金(普通預金)1,000,000円、右の貸方には短期借入金1,000,000円と記帳します。

借入金以外の諸費用は次の科目で記帳します。

・印紙代→租税公課
・事務手数料→支払い手数料

なお、ビジネスローンで担保提供することはほとんどありませんが、参考までに抵当権を設定する場合は次の科目を使用します。

・司法書士報酬→支払い手数料
・登録免許税→租税公課
・登記簿謄本代→租税公課、支払い手数料、雑費など
・印紙代→租税公課

返済時の仕訳

返済金額が10万円で利息部分が4万円の場合、次のように記帳します。

・借方→借入金60,000円、支払い利息40,000円
・貸方→普通預金100,000円

仕方なく個人向けカードローンで資金調達したときの仕訳方

 

使途自由となっている個人向けのカードローンでも、本来なら事業用に使うことは認められていない場合が多いですが、仕方なく事業主の個人カードで事業資金を借り入れているケースがあるのも事実です。

その場合は次のように仕訳します。

【個人向けカードローンの仕訳】
・借方→事業主貸1,000,000円
・貸方→借入金1,000,000円

また、法人であっても法人代表者の個人用カードローンを事業用として使用するケースもあります。

その場合は次のように仕訳しましょう。

【代表者の個人向けカードローンから借り入れたときの仕訳】
・借方→普通預金1,000,000円
・貸方→借入金1,000,000円
※摘要欄または補助科目に「代表取締役からの借入」と記入

少額な場合や一時的な場合などは仮受金として処理することもありますが、カードローンでの借入は利息も発生し、借入期間も長くなるので上記のように仕訳しましょう。

法人カードのキャッシングも借入金

ビジネスローン以外でも事業者向けクレジットカードのキャッシングを利用することがあります。

キャッシングも借入金なので、ビジネスローンと同じ仕訳処理をします。

キャッシングの仕訳

法人カードのキャッシング枠はそれほど大きくないので、返済期間も短く短期借入金として処理します。

仕訳方法はビジネスローンと同じです。

・借方 普通預金100,000円
・貸方 借入金100,000円

キャッシングの場合も法人代表者や個人事業主の個人カードで事業資金を決済する場合は、ビジネスローンと同じように処理しましょう。

ショッピング利用の仕訳

融資商品の名称が違うだけで、法人カードのキャッシングもビジネスローンも処理方法は同じです。

ただ、法人カードの場合はショッピングも利用できます。

備品購入や交通費の支払いなどでカードショッピングを利用した場合は処理方法が少し違います。

カードショッピングはお金を直接借りるのではなく、カード会社が立替払をする後払い方式です。

そのため仕分けする場合は次のように処理します。

カード利用時

・借方 消耗品費50,000円
・貸方 未払金50,000円

返済時

・借方 未払金50,000円
・貸方 普通預金50,000円

なお、物品購入の場合はキャッシングを利用せず、なるべくショッピングで決済すると借入金扱いとならないので、貸借対照表やキャッシュフローの改善となります。

またクレジットカードのポイントサービスを利用すれば節税対策もできるので、ショッピングで対応できるものはキャッシングに頼らないようにしましょう。

ビジネスローン利用の注意点

ビジネスローンの利息額を経費として処理できるからといって、高金利のビジネスローンを資金調達方法のメインにすることはおすすめできません。

あくまでも少額・短期を念頭に、次の点に注意してビジネスローンを利用しましょう。

ビジネスローンは高金利

ビジネスローンは消費者金融会社や信販会社などのノンバンクが取り扱っている事業融資なので、銀行融資と比較すると高金利です。

実質年率では10%以上の金利差があることも珍しくありません。

利息は経費として処理できるといっても、所得税や法人税の課税対象外になるというだけで金利負担がなくなるわけではありません。

利子を経費にすることでいくらか節税にはなりますが、それ以上に経費負担が大きくなっては意味がありません。

ビジネスローンは短期利用に限定すべし

ビジネスローンを利用する場合は返済期間にも注意する必要があります。

高金利のビジネスローンを活用するには金利負担を軽減することが重要です。

そのためには短期利用することが必要不可欠です。

カードローン形式のビジネスローンではリボ払いが利用できますが、出来ることなら一括返済がおすすめです。

リボ払いを最低の返済金額で長期返済すると金利負担が大きくなるため、リボ払いを利用してもなるべく短期間で残金を一括返済しましょう。

ビジネスローンは短期返済で融資額も少額の利用を心がけましょう。

ビジネスローンのメリット生かした使い方をする

ビジネスローンのメリットは銀行プロパー融資と比べて審査基準が低く、融資実行までのスピードが速いという点です。

このメリット生かす使い方としては、緊急なつなぎ融資としてビジネスローンを利用するのがベストです。

つなぎ資金であれば返済財源も明確で短期の一括払いが可能になり、金利負担も少なくてすみます。

融資スピードが必要な事業資金には少額融資を前提としてビジネスローンを活用しましょう。

まとめ

基本的に借入金という点ではビジネスローンも金融機関からの借入もまったく同じです。

しかし利息を経費で処理できることは高金利で借りてもいいということにはなりません

高金利であることを十分理解して目的にあった使い方をしなければ、ビジネスローンを上手く活用できません。

また、事業資金調達は借入金だけに頼らず、ファクタリングサービスや手形割引、補助金・助成金など返済が不要な資金調達も活用しましょう。

事業者は資金調達方法も目的別に使い分ける必要があります。

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