会社の経費精算を楽にするために利用される法人カード。
法人カードの中には、年会費が発生するものから、年会費が発生しないカードまで、100以上の様々な種類があります。
経営者の方の中には、法人カードをまだ利用したことがないから、費用のかからない年会費無料のカードを選びたいという方も多いでしょう。
しかし、とにかく年会費がかからないという理由で法人カードを選ぶのはあまりおすすめできません。
年会費がかかる法人カードには、ポイント制度やビジネスサポートなどそれ相応の特典があり、その特典が年会費を上回るケースが多々あるからです。
年会費の低さだけで選んでしまうと、逆に損をしてしまう可能性も。
そうならないために、この記事では年会費無料のカードと有料のカードの特徴を比較し、最適な法人カードを選ぶための方法を紹介します。
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【ライター】嶋崎 -
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
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年会費無料の法人カードとは
まず、年会費無料の法人カードとはどんな特徴を持っているのかを解説します。
3つの年会費無料
年会費無料の法人カードといっても、3つの種類があります。
・初年度年年会費無料
・実質年会費無料
それぞれどのように年会費無料になるかを解説していきます。
永久年会費無料
法人カードをどれだけの期間使っても、ずっと年会費が無料なのが「永久年会費無料」です。
永久年会費無料の法人カードには、例えば「ライフカードビジネス」があります。
初年度年会費無料
法人カードを契約した初年度だけ年会費無料になるのが「初年度年会費無料」です。
つまり、法人カードを契約して2年目以降は年会費がかかるというのを覚えておきましょう。
初年度年会費無料のカードには、例えば「オリコEX Gold for Biz」があります。
オリコEX Gold for Bizの年会費は初年度無料、2年目以降は2,000円(税別)です。
実質年会費無料
条件を満たせば、継続して年会費が無料になる法人カードが「実質年会費無料」です。
例えば「三井住友ビジネスカード for Ownersクラシック」の場合1,250円(税抜の年会費がかかりますが、インターネット入会で初年度年会費が無料になります。
さらに、三井住友ビジネスカード for Ownersクラシックは、マイ・ペイすリボに登録・利用することで翌年度以降の年会費も無料に。
実質年会費0円で法人カードを所持できます。
「年会費無料」と一言に言ってもいろいろな種類があります。
年会費無料をうたっていなくても条件を満たせば年会費無料になったり、ポイント還元率が高くポイントで年会費が取り戻せたりする法人カードもあるのです。
このことから、単純に「年会費無料」というだけで法人カードを選ぶと、逆に損をしてしまうこともあると言えるでしょう。
続いて、年会費無料の法人カードの特徴を見ていきましょう。
年会費無料の法人カードの特徴
年会費無料の法人カードには以下の特徴があります。
・急な出費に役立つ
・ポイント還元がない
コストがかからない
年会費無料の法人カードの場合、年会費を払うことなく所持できます。
年会費分の余計な経費が発生しないため、新しく法人カードを持とうと思ったときにも気軽に利用しやすいのも特徴のひとつです。
急な出費に役立つ
年会費無料の法人カードでも、当然ですがクレジットカードとして使用できますので経理処理を一括にまとめる、仕分けの必要がない、キャッシュフローが改善できるなど経理上のメリットも多く得られます。
また、無料で発行できるため急な出費などでメインの法人カードの限度額が足りないとき、サブの法人カードとして年会費無料の法人カードを使う、ということもできます。
有料の法人カードよりも当然スペックは劣りますが、サブカードとして気軽に使うなら年会費無料の法人カードでも十分と言えるでしょう。
ポイント還元がない
年会費無料の法人カードは、カード利用額に応じて付与される「ポイント還元」のサービスがないカードが多くなっています。
例えば、「オリコEX Gold for Biz」は、年間50万円の利用で、0.85%のポイント還元サービスが備わっています。
ここで、年会費無料でポイント還元のない「ライフカードビジネス」と「オリコEX Gold for Biz」をそれぞれ年間50万円利用した場合を比較してみましょう。
ライフカードビジネス | オリコEX Gold for Biz | |
---|---|---|
年会費 | 0円 | 2,000円(+税) |
ポイント還元分 | 0円 | 4,250円分(還元率0.85%) |
合計 | 0円 | 2,250円分お得 |
ライフカードビジネスは、年間50万円利用してもポイントは一切つきません。
一方のオリコEX Gold for Bizは、年間50万円利用すれば、4,250円分のポイントが付与されます。
この結果から、年間で同じ額を使っても年会費無料のライフカードビジネスは年会費2,000円のオリコEX Gold for Bizよりも2,250円損していることが分かります。
つまり、法人カードは年会費が無料というだけで選ばない方がいいのです。
では、逆に年会費が有料の法人カードにはどのような特徴があるのでしょうか?
有料法人カードの特徴
無料の法人カードに対して、有料の法人カードはどれくらいのスペックを持っているでしょうか?
年会費が31,000円(税抜)の法人カード「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」を例に紹介します。
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」を契約すると、以下のサービスが付帯しています。
基本サービス
ビジネスカード限定サービス
ビジネストラベルに関するサービス
ポイント・プログラム
ショッピング&エンターテイメントに関するサービス
カードのセキュリティ
基本サービス
基本的な付帯サービスも充実しているのがこのアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの特徴です。
・国内外で幅広い加盟店がある
・明細チェックなどオンラインサービスの利用
・1枚500円でETCカード発行
・JR東海エクスプレス予約サービスの利用
・メンバーシップ・サービス・センターの利用
・追加カード(1枚12,000円)の発行
ビジネスカード限定サービス
ビジネスカードというだけあり、あなたのビジネスをサポートしてくれるサービスが盛り沢山。
ただの決済用カードというだけでなく、ビジネスパートナーとして所持しておきたくなるカードです。
会員制ビジネスラウンジの利用
レストラン予約代行・限定イベント開催
ビジネス・コンサルティング・サービス
ビジネス情報サービス「ジー・サーチ」の利用
ビジネス情報調査代行サービス
カードローン「VIP Loan Card for American Express」の利用
「クラウド会計ソフト freee」へのデータ連携
ライフサポート・サービス「クラブオフ」
ヘルスケア無料電話相談
ビジネストラベルに関するサービス
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、ビジネスにおける交通サービスのサポートも充実しています。
オンライン旅行予約サイトの利用
H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスクの利用
アメリカン・エキスプレス JALオンラインの利用
空港ラウンジ、手荷物宅配サービスなど自宅~空港までのサービス利用
観光ラウンジ、レンタカー手配など出張先でのサービス
旅行傷害保険、国内航空機遅延費用
ポイント・プログラム
決済をするごとにポイントが貯まるのも有料法人カードの魅力です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードには、500以上の交換アイテムがあり、会社の備品などと交換することができます。
さらに、ポイントをマイルに交換することもでき、飛行機移動や海外出張がある企業は使い勝手のいい1枚と言えるでしょう。
ポイント・プログラム「メンバーシップ・リワード®」で利用代金100円=1ポイントが付与
500以上の交換アイテム
提携航空会社のマイルやホテルグループのポイント移行可能
ポイントで支払い可能
ショッピング&エンターテイメントに関するサービス
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、以下の施設やサービスで会員限定サービスを受けることができます。
チケット・アクセス®
ゴルフクラブ
ゴールド・ワインクラブ
コットンクラブ
新国立劇場
カードのセキュリティ
カードのセキュリティも万全を期しているのが有料カードの特徴。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードには以下4つのセキュリティサービスが揃っています。
ショッピングプロテクション
オンラインプロテクション
キャンセルプロテクション
リターンプロテクション
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」の年会費は31,000円(税抜)ですが、これだけの付帯サービスがあります。
福利厚生などのビジネスシーンで活かせるだけでなく、取引先へのステータスをアピールしたいときにも十分な戦力になることは間違いありません。
くわえて、有料法人カードの年会費はすべて経費として申請することができますので、安心してください。
年会費は経費になる
法人カードは仕事のために使用します。
つまり、その法人カードを所持するために支払う年会費は経費として計上できるのです。
ただし、法人カードの年会費がどのように計上されるかは、法人カードをどのように使っているかによっても異なってくるので注意しましょう。
法人カードの年会費と経費の関係について順に解説していきます。
法人の場合と個人事業主で異なる
有料法人カードの年会費を経費にする場合、法人と個人事業主の場合で経費計上の有無が異なってくるので、注意しましょう。
法人の場合
有料法人カードを契約しているのが法人の場合、経費の支払いに使った法人カードの年会費をすべて経費計上できます。
ただし、社長が私的に法人カードを利用した場合は経費計上できないのと同じように、私的利用目的の法人カードの年会費は経費計上できません。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、明確に事業用とプライベート用で使用するクレジットカードを分けていない場合があります。
もしも、事業用と私用両方で法人カードを使っている場合、年会費は家事按分し、事業用に使っている割合しか経費計上できません。
ただし、そもそもクレジットカードを事業用に使っている割合が50%以下の場合は、年会費が経費計上できない可能性もあるので、注意しましょう。
法人カードの年会費を経費計上する場合の勘定科目
カード年会費の勘定科目として使われるのは支払手数料、諸会費、雑費の3種類です。
この中で一番会計処理として手間がなくおすすめなのが「支払手数料」です。
支払手数料とは、手数料や報酬の支払いを管理するためにかかった費用をさす勘定科目で、カード年会費の仕訳方として最も適当と言えるでしょう。
諸会費とは、業務に関わる様々な団体に支払う会費や組合費を指します。
カード年会費が諸会費で処理しても、勘定科目上おかしくはありません。
ただし、諸会費は対価性がある場合は課税、対価性がない場合は不課税と経理上消費税の処理をする手間があるのです。
なお会計ソフトを利用すると、不課税が初期設定になっている場合が多くなっています。
雑費とは、用途が特定できない経費の勘定科目に対して使います。
そのため、高額になるほど税務署から用途を怪しまれる可能性があるのです。
わざわざ雑費を年会費の経費計上の勘定科目に選ぶメリットはないでしょう。
同じ経費の勘定科目は、ずっと同じものを使い続けるのが原則です。
そのため、法人カードの年会費の勘定科目は、わかりやすい支払手数料を選ぶのが安全と言えるのです。
無料カードと有料カードどちらを選ぶべきか
法人カードを契約するとき、無料カードと有料カードのどちらを選ぶべきかは、法人カードの使途や会社の規模、状態によって判断するのが有効です。
無料カードがおすすめのケース
・ビジネスサポートはまだ必要のないスタートアップ時期の企業
福利厚生などの付帯サービスは特に必要なく、単純に経費の仕訳を楽にしたい個人事情主や、設立間もない企業などの場合は、無料カードが選択肢になります。
有料カードがおすすめのケース
・対外的にステータス性をアピールしたい
すでに企業としての規模や実績も十分にあり、法人カードの付帯サービスも福利厚生として十分活用できる場合に有料の法人カードがおすすめです。
また、取引先への信頼を得るなど対外的に企業としてのステータスをアピールしたいときには、有料カードを選びましょう。
一般カードよりもワンランク上のゴールドカードを所持していれば、企業としても法人代表としても、高い信頼性を示すことができます。
まとめ
法人カードには年会費無料のものもあります。
もし法人カードの使途が、会計処理を楽にしたいという1点なら無料のカードでも問題ないでしょう。
しかし、法人カードは会計が楽になるというだけではなく、ポイントサービスによる経費削減や付帯サービスで福利厚生を充実できることなども大きなメリットです。
年会費は月額に換算すると高くても3,000円以内になるはず。
その費用と見合うサービスがある法人カードなら、年会費無料にこだわらずに検討する価値はありますよ。