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2022/12/27

起業家が資金を調達する方法は色々ありますが、クラウドファンディングもその選択肢のひとつとなります。

クラウドファンディングは日本国内でも知名度が高まり、中小企業や大企業でも資金調達方法として利用する企業が増えています。

商品開発の資金調達にもよく利用されていますが、起業資金の調達方法としてもクラウドファンディングが利用されています。

今回は起業家の資金調達方法としてクラウドファンディングを紹介します。

起業資金調達方法としてのクラウドファンディング

クラウドファンディングは起業資金調達方法としてどのような特徴があるでしょうか?

ほかの資金調達手段と比較したときのクラウドファンディングの特徴を解説します。

金融機関からの融資とクラウドファンディング

銀行イメージ

日本政策金融公庫や銀行からの融資や自治体の制度融資でも起業に必要な資金を調達できます。

しかし、民間金融機関である銀行融資では、融資審査では業歴や事業の安定性を重視しています。

そのため起業や創業に必要な資金を銀行融資で調達するのは難しいのが現実です。

不動産などの担保を提供できれば融資の可能性は高まりますが、無担保や保証人なしでは審査の通過は難しいでしょう。

また、融資で資金調達をすると返済や利息負担が発生します。

会社をスタートアップさせるときに負債を抱えてしまうと重荷となってしまいます。

その点クラウドファンディングは支援者から出資金を集める形式なので、返済の必要がなく身軽なスタートアップが可能です。

ベンチャーキャピタルとクラウドファンディング

ベンチャーキャピタルも起業家に出資するという点ではクラウドファンディングと同じです。

ベンチャーキャピタルは将来性のある事業や革新的な事業に対して株式を取得することで出資します。

ただ、ベンチャーキャピタルの目的は出資した企業の売却や株式上場による利益のため、株主として経営にも深く関わるので、経営者の自由が制限されてしまいます。

クラウドファンディングは複数の個人から支援金として資金を調達するので、経営は自由にできるという違いがあります。

出資者(支援者)は支援金の見返りとして商品やサービスなどリターンを受け取るだけの関係なので、クラウドファンディングでの資金調達の場合、全く経営にはノータッチです。

エンジェル投資家とクラウドファンディング

ベンチャーキャピタルは投資家集団ですが、エンジェル投資家は個人投資家ひとりで起業家に出資をします。

エンジェル投資家もベンチャーキャピタルと目的は同じですが、経営の自由度はエンジェル投資家からの出資のほうが高くなります。

クラウドファンディングも個人から支援金を募りますが、不特定多数の個人から出資を受けるという点が大きな違いです。

助成金・補助金とクラウドファンディング

助成金や補助金も返済の必要がないという点ではクラウドファンディングと同じです。

しかし特に補助金の場合は金額に制限があり、公募制なので必ず補助を受けられるわけではありません。

あくまで資金調達の補助なので全額資金調達はできない仕組みです。

クラウドファンディングも全額資金調達できるかどうかはわかりませんが、少なくても調達目標金額は自由に設定できます。

クラウドファンディングのAll In方式は目標金額に達しなくても集まった資金を運用することが可能です。

この方式を利用すれば補助金を受けられないときのように、まったく資金が調達できないということはありません。

クラウドファンディングで資金調達するメリット

クラウドファンディングで資金調達するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

続いて、クラウドファンディングのメリットと活用方法を解説します。

リスクが少ない

クラウドファンディングはインターネットを利用してプロジェクトを立ち上げて、資金を調達します。

クラウドファンディングの図解

出資者は支援者と呼ばれていて支援金を支払う代わりに、リターンと呼ばれる見返りを得ることができます。

リターンはお金ではなく商品やサービスなどです。

プロジェクトはクラウドファンディングの運営会社(プラットフォーム)のwebサイト上に公開します。

プロジェクトを立ち上げるまでにお金はかからず、プロジェクト成立の場合だけ手数料を支払うAll or Nothing方式が一般的です。

そのため例え失敗しても金銭的な負担がないのでリスクが少ないというのがメリットです。

消費者のニーズがわかる

クラウドファンディングの目的は資金集めですが、例え失敗してもプロジェクトで提供した商品やサービスのニーズを把握することができます。

予想よりも不人気だった場合は、商品やサービスの改善につなげることが可能です。

このように実際の消費者の動向や志向を直接感じることができるのは、その後の事業展開には重要なことです。

さらに目標金額に達してプロジェクトが成功すれば、商品やサービスの需要が大きいということがわかります。

単に市場調査で得た結果ではなく、実績としての裏付けがあるので積極的な事業展開のキッカケになります。

自己資金なしでも利用できる

日本政策金融公庫の創業融資は自己資金が10%以上必要となります。

しかしクラウドファンディングは出資金を調達するので、自己資金比率は関係なく利用することができ、自己資金もなしで利用することができるのです。

しかし、自己資金なしで起業するというのはリスクがあるので、自己資金を手元に残しておくためにクラウドファンディングを利用すると考えましょう。

クラウドファンディングで資金調達する場合の注意点

クラウドファンディングにもデメリットや注意点があります。

クラウドファンディングのマイナス部分もよく理解してから利用しましょう。

アイデアや事業計画を盗用されるリスクがある

クラウドファンディングはインターネットを利用するため、画期的なアイデアも公開することになります。

プロジェクトを成功させるためには、支援者に対してこれまでにはなかったアイデアも情報公開して支援を呼びかける必要があります。

アイデアを未公開にしたままでは支援金を集めることはできません。

そのためプロジェクト公開前に特許や商標登録などに手続きはきちんと済ませておきましょう。

マーケティングが必要

プロジェクトは公開しただけでは数多くの支援者獲得はできません。

融資を利用する場合は審査を受けますが、クラウドファンディングでは審査がほとんどない代わりに、支援者を集める努力が必要となります。

公開したプロジェクトを広く知ってもらうためのマーケティングが必要です。

プロジェクトの実行準備の他にマーケティングも必要となるので、繁忙期が重なることになります。

しかし、マーケティングといってもお金をかけた大掛かりなものは必要ありません。

自社のホームページやブログ、FacebookやTwitterといった無料のSNSなどを活用しましょう。

ホームページやブログがない場合は、プロジェクトを立ち上げる前の事前段階で作成しておきましょう。

資金調達までに時間がかかる

クラウドファンディングはプロジェクトを公開してから支援金を利用できるまで3ヶ月以上かかります。

事前準備の期間を含めるともっとかかるので、起業の時期にあわせて早めにプロジェクトを計画することが必要です。

プロジェクトの計画はしっかり立てておかないと成功率が低くなってしまいます。

見切り発車をせずにきちんとしたプロジェクトを起ち上げる時間と資金調達までの時間を、よく考えてからクラウドファンディングを利用しましょう。

クラウドファンディングの運営会社は慎重に選ぶ

クラウドファンディングは新しい市場なので、新規参入の運営会社も数多くあります。

1年前には営業していた業者も今は廃業しているというケースもあります。

プロジェクト公開中に業者が倒産や廃業するリスクはゼロではないのです。

業者の倒産で経済的な損失はほとんどありませんが、プロジェクトにかけた時間が無駄になる可能性があります。

クラウドファンディング業者は実績があり、業歴も長い業者を選びましょう。

まとめ

クラウドファンディングは学生でも利用できるほど手軽な資金調達手段ですが、事業を起ち上げる場合は事前準備をしっかり行ってください。

リスクは少ないとはいえプロジェクトが失敗すると労力と時間を無駄にすることになります。

クラウドファンディングのメリットとデメリットはしっかり理解して、スムーズな起業に役立てましょう。

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