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“京都三大祭” 葵祭・祇園祭・時代祭をざっくり紹介!

京都には葵祭祇園祭時代祭という京都三大祭があります。

名前は聞いたことあるけど、実際にはどんなものかよく知らない、という人もいるのではないでしょうか。

そんな人に向けて、これだけ押さえておけば大丈夫!という三大祭のポイントをざっくりとご紹介していきます。

この記事は3分で読めます!・・・と言いたいところなのですが、すみません。
京都の祭は歴史があり、3分で全容をお伝えすることができません!

三大祭について重要な部分のみピックアップし記事にしましたが、それでも分量があります。
時間がないというかたは記事の太字の部分だけ読み進めていただければ、要点をつかめると思います。
ぜひ、太字の部分だけでも読んでみてください。

ここで簡単に、三大祭のポイントをお伝えします。

葵祭:古くは五穀豊穣を願った王朝貴族の行事。5月に下鴨神社と上賀茂神社にて催される。流鏑馬などの祭事がある。行列が通りを進む。

祇園祭:古くは疫病退散、無病息災を記念した御霊会。7月を通して行われる。山鉾巡行などの祭事がある。通りには屋台が並ぶ。

時代祭:三大祭のなかで最も新しい祭。10月に平安神宮にて催される。さまざまな時代の衣装を身にまとった時代風俗行列が沿道を進む。

概要はつかんでいただけたでしょうか。
ここからは、その三大祭の詳細についてご紹介していきます。

葵祭

開催日

5月15日

場所

葵祭は、京都市の下鴨神社(賀茂御祖神社)と上賀茂神社(賀茂別雷神社)にて行われる祭で、別名、賀茂祭と呼ばれます。

起源

6世紀の中ごろ、欽明天皇の代に風水害と凶作が続いていました。
天皇の命により卜部伊吉若日子(うらべのいきわかひこ)が占いを行うと、これらの天災は賀茂神の祟りであるということが示されました。
そのため、4月二の酉の日に鈴をつけた馬を走らせて祭祀をとりおこない、五穀豊穣を祈ったのが葵祭の起源だとのことです。

特徴

葵祭は、日本の祭のなかでも特に優雅な祭であるとされ、古くは王朝貴族の行事として行われました。
平安時代においては、「祭」といえば葵祭のことをさしたといわれるほど有名な祭だったそうです。
この祭の特徴としては、日本の祭のなかでも数少ない王朝風俗の伝統が残されているということです。

祭儀

流鏑馬神事(5月3日)

疾走する馬に乗って矢を放ち、的を射る

下鴨神社の境内にある糺の森にて行われる行事です。
公家風の装束姿や武家風の装束姿をした射手たちが馬に乗って疾走しながら、3つの的を射抜きます。
実際に観に行きましたが、疾走する馬はとても迫力がありました。
的が射抜かれる度に歓声が上がり、とても楽しく観覧できました。

斎王代以下女人列の御禊の儀(5月4日)

毎年、場所は上賀茂神社と下鴨神社の交代で行われます。
葵祭の斎王代や40人の女性が御手洗池に手を差し入れ、身を清める神事です。

斎王とは:賀茂神社に奉仕するために皇室から差し出された内親王のこと。1956年から葵祭に斎王列が復興され、京都にゆかりのある一般女性から「斎王代」が選ばれます。
斎王代に選ばれた女性は唐衣裳装束を着用し、白塗りの化粧をします。
葵祭の主役ともいわれる役割です。

歩射神事(5月5日)

下鴨神社にて行われる神事です。
葵祭の沿道を弓矢を使って祓い清める魔よけの神事です。
馬上で行われる流鏑馬に比べて、地上で矢を射ることに由来しています。
平安時代に宮中で行われていた「射来(じゃらい)の儀」が始まりと伝えられています。

御陰祭(5月12日)

下鴨神社にて行われる神事です。
比叡山の西麓の御蔭神社から葵祭の心霊を迎える神事です。
御蔭神社から下鴨神社までの道のりの一部は徒歩で巡行が行われ、神霊を乗せた神馬の前で優雅な舞「東游(あずまあそび)」が奉納されます。

葵祭(5月15日)

宮中の儀、路頭の儀、社頭の儀の3つの儀からなります。
現在、宮中の儀は行われていません。

路頭の儀(5月15日)

本列(検非違使や山城使)や女人列(斎王代や女人)の行列が京都御所正門の建礼門丸太町通河原町通下鴨神社の順路で進んで行きます。
平安時代の装束を着た優雅な王朝の行列は総勢約500名、馬36頭、牛4頭、で列の長さは約1kmと圧巻です。

社頭の儀(5月15日)

上賀茂神社下鴨神社と両方で行われる儀式です。
京都御所を出発した行列が下鴨神社に到着し社頭の儀が行われます。
社頭の儀では、神前で、御祭文が奉上されたのち、「東游(あずまあそび)」が奉納されます。
そのあと、上賀茂神社へ出発し、上賀茂神社でも社頭の儀が営まれます。

祇園祭

開催日

7月1日~31日

場所

八坂神社
四条河原町、烏丸御池

起源

祇園祭は、もとは祇園御霊会と呼ばれていました。
平安時代、貞観11年(869年)に全国に疫病がはやり死者が多数出ました。
この疫病は、現世に恨みを残したまま亡くなった怨霊の祟りであるとされました。
そのため、牛頭天王を祀り、疫病退散、無病息災を記念した御霊会が行われました。
この御霊会が祇園祭の起源とされています。

特徴

約1ヶ月行われる祭ですが、みなさんがイメージする屋台が並ぶのは7月15日と16日の2日間だけなので、注意が必要です。
祇園祭としては14~16日(宵山)、17日(前祭 神幸祭・山鉾巡行)、24日(後祭 還幸祭・山鉾巡行)が広く知られています。

祭儀

1ヶ月という期間でさまざまな行事が催されますが、今回はメインイベントとも言える、宵山、前祭、後祭の3つを紹介していきます。

宵山(7月14~16日)

歩行者天国になる前の四条通りの様子

四条通は歩行者天国となり、町は賑わいを見せます。
15日と16日には、路面に屋台が並び、まさに祭といった雰囲気になります。
ただし14日の宵山初日は歩行者天国もなく、露店も出店されないので、注意が必要です。
山鉾に吊るされた駒形提灯に火が入り、祇園囃子が流れます。
宵山見物の人々が通りにあふれ、多くの人々が町を歩き、祭を楽しみます。

参照URL:山鉾連合会|山鉾マップ
http://www.gionmatsuri.or.jp/yamahoko/map.html

前祭(さきまつり)山鉾巡行(7月17日)

山鉾巡行(やまほこじゅんこう)は祇園祭の最大の見どころです。
長刀鉾を先頭に、23基の山鉾が京都の大通りを巡行します。
祇園囃子が賑やかに響くなか、巨大な鉾が進んでいきます。

巡行経路は四条通り→河原町通り→御池通り→新町通りへと進みます。
90°の方向転換をする際に、力強く鉾を曳く「辻回し(つじまわし)」はとても人気が高く、四条河原町や河原町御池の角には多くの人が集まります。

後祭(あとまつり)山鉾巡行(7月24日)

巡行経路は烏丸御池→河原町御池→四条河原町→四条烏丸
後祭では四条通りや御池通など京都市の中心部で交通規制が行われます。
また後祭の宵山期間(21日~23日)は路上への出店はなく、歩行者天国も設けられないので注意が必要です。

時代祭

開催日

10月15日~23日

場所

平安神宮

起源

京都三大祭のなかで最も歴史が新しい祭です。
平安神宮は1895年(明治28年)に平安遷都1100年祭が開催された際に桓武天皇を祭神として創建されました。
平安神宮が創建され、1895年の10月22日から24日まで記念祭が行われました。
このとき、多くの市民が参加して時代風俗行事を運営し、翌年から時代風俗行事も神事として営まれるようになりました。

特徴

時代祭の中心は祭神の桓武天皇と孝明天皇です。
しかし、この両天皇に供奉する時代風俗行列が一番の見どころです。
時代風俗行列は厳密な時代考証でととのえられた各時代の衣装や道具を見につけた人々によって行われます。
明治維新から江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と時代が遡っていきます。
参加者は約2000人、列の長さは2kmに及びます。
大勢の行列がおよそ2時間かけて沿道を進んでいきます。

祭儀

参役宜状授与祭(10月15日)

行列の主な参役に選ばれた京都市民およそ500名がご神前に行列が無事に執行されることを祈願します。

前日祭(10月21日)

神職につとめるかたは肉食を断ち、行いを慎んで身を清めます。

神幸祭(10月22日)

鳳輦(読み:ホウレン/天皇の乗り物)に御霊代(読み:ミタマシロ/故人の御霊が宿る依代)をお遷しし、神幸列を本宮を出発します。

時代風俗行列(10月22日)

時代風俗行列は時代祭のメインイベントです。
明治維新から江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と時代が遡っていき、それぞれの時代を再現した衣装を身にまとった人々が行列になって沿道を歩きます。
先頭の名誉奉行は京都府知事や京都市長らが務めます。
また時代行列の後には神幸列や白川女献花列が続きます。
巡行経路は京都御所建礼門前→堺町御門→烏丸丸太町→烏丸御池→河原町御池→河原町三条→三条大橋→三条神宮道→平安神宮へと進みます。

後日祭(10月23日)

祭具の片付けなどが行われます。

編集後記

記事をお読みいただき、ありがとうございます。
京都の三大祭について知っていただくことはできたでしょうか。
ここでもう一度、三大祭についてまとめます。

葵祭:古くは五穀豊穣を願った王朝貴族の行事。5月に下鴨神社と上賀茂神社にて催される。流鏑馬などの祭事がある。行列が通りを進む。

祇園祭:古くは疫病退散、無病息災を記念した御霊会。7月を通して行われる。山鉾巡行などの祭事がある。通りには屋台が並ぶ。

時代祭:三大祭のなかで最も新しい祭。10月に平安神宮にて催される。さまざまな時代の衣装を身にまとった時代風俗行列が沿道を進む。

三大祭といっても、それぞれ特徴があることが見てとれます。
お祭について知識があれば、実際に行ってみたときにより楽しめるのではないかと思います。
歴史ある京都の三大祭をぜひ楽しんでみてください。

参考文献

落合俊彦(1999)『洛中洛外 京の祭と歳時12ヶ月』竹内書店新社
所功(1996)『京都の三大祭』角川選書

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writerWRITERこの記事の作者
kawashima

この記事を書いたひと マル

京都の大学に通う学生ライター。 丸顔なので「マル」というペンネームに。 学生ライター仲間を募集しています!
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