「誰でも簡単にできる味噌仕込みの基本」山岡酒店さんのワークショップに参加してきました!
こんにちは!
山菜の苦味が美味しくて、大人になったなぁと感じる今日この頃の鈴木です。
みなさんは味噌汁を毎日食べていますか?
味噌汁は毎日食べても飽きないですし、日本の家庭料理にはなくてはならないものです。
そんな「味噌」ですが、何でできているかご存知ですか?
おそらく99パーセントのひとが「大豆」と答えるでしょう。
検討がつかないひとは小学生の家庭科の授業からやり直してください。
たしかに味噌は大豆でできているのですが、実は半分以上は「コメ」でできているんです!
正確には、みなさんがよく知る「コメ(白米)」ではなく、コメに麹菌を繁殖させて発酵させた「米麹(こめこうじ)」がお味噌の原材料の半分以上を占めるんです。
※地域によって麦麹や豆麹を使っているので、必ずしも米麹とは限りません
「味噌=大豆」ではなく、「味噌=大豆+米麹」が正解だったんですね。
さて、そんなお味噌ですが、実はとっても簡単につくることができるんです。
そもそも味噌汁が家庭料理の定番ですから、味噌そのものも家庭で簡単につくれるはず。
おばあちゃん世代では今でも毎年仕込んでいるかもしれませんね。
しかし、時代の流れとともに、 スーパー、コンビニなどどこでも味噌を買えるようになり、味噌を仕込む家庭もへりました。
一方で、最近では、ネット販売でも家庭用の味噌仕込みセットが売られていたり、味噌仕込みのワークショップがたくさん開催されたりするようになりました。
今回は、味噌仕込みワークショップを長年にわたって開催している「山岡酒店」さんの味噌仕込みの会に参加し、味噌の基礎知識と仕込み方を教わってきました。
それでは、山岡酒店へ参りましょう!
千本今出川の交差点を北に、歩くこと3分。
山岡酒店さんは、関西で最も「地ビール(クラフトビール)」を扱うお店としても有名です。
いつもは店頭に野菜が並んでいるので、パッと見ると八百屋さんのような店構えですが、冷蔵庫には日本中の、世界中の地ビールがドドーンと並んでいます。
毎年5月に開催される大型ビールイベント「地ビール祭 京都」の主要メンバーでもあります。
今年2017年は5月14日(日)に開催予定です。
地ビールがたくさんある酒屋だからかどうかはわかりませんが、過去5年こちらで一緒に仕込ませていただいた味噌はとてもいい味になっていました。
味噌仕込みの基本 3STEP
味噌仕込みを教えてくれるのは、店主の山岡茂和さん。
2017年の味噌仕込みがスタートです!
1.大豆をじっくりコトコト煮込む
店頭ではすでに、大豆がぐつぐつと煮込まれております。
↓左が煮込まれる前の大豆、右が4時間ほど煮込んだ大豆。
ここで一番最初のポイントです!
このワークショップのために、昨晩から準備をしていただいておりました。
ありがとうございます!
しっかり煮込んだ大豆を、それぞれの容器に移します。
2.大豆を潰す、ただひたすら潰す
次はこのお豆さんたちを「好きな具合に」つぶします。
市販の味噌では大豆の粒が残っていることはほとんどないので、カタチがなくなるまで潰すものだと思っていたのですが、まったく潰さずに米麹と一緒にしても味噌になるそうです。
しっかり潰すのと、カタチを残すのではどのような違いがあるのでしょうか?
山岡さん
「麹が外側からだんだん大豆のなかに入っていくので、粒が大きいほどなかに入るまでに時間がかかります。
麹がはいるのが遅いところには先に乳酸菌がようわくという話です。
それで酸味があったり深みがあったりを目指そうとしたら、粒が大きいほうがいいということです。」
「ちなみに、黒豆ではどうですか?とよく聞かれますが、黒豆でもできます。
ただ、皮が厚いのでそれをどう取り除くのかというのが大変なようです。」
大豆の粒を残す場合は、発酵に時間がかかるので、寝かせる期間を長くさせましょう。
味噌仕込みで一番大変な作業がこの「潰す」工程。
大豆のカタチがなくなるまで潰そうと思うの、一筋縄ではいきません。
ご家庭によってはひき肉をつくるときの道具で潰すかたもいらっしゃるようです。
ここがしんどい!
かなり体力をうばわれます。
写真3枚でここまできましたが、実際は20分ぐらい黙々と潰しつづけます。
ここで回復の薬が支給されました。
大豆の煮汁。
うまみがたっぷり。
これが飲みたくて味噌を仕込んでいると言っても過言ではないくらいうまい。
3.仕上げ
満足いくほどに潰せたら、つぎは「米麹(こめこうじ)」を加えて混ぜ込みます。
このとき、大豆が「人肌」ほどの温度になっているかを確認してください。
もし、人肌よりも高いと米麹の菌が温度で殺菌されてしまうそうです。
実は、冬の寒い時期に味噌を仕込むのもこの「温度」が影響しています。
冬だとホクホクの大豆を潰しているあいだに、ほどよい温度まで冷めるのですが、夏だと温かい大豆がなかなか冷めず、米麹を投入できなくなり、冷めるまで待つというタイムロスが発生するんです。
言い換えると、味噌仕込みは1月から3月を中心に行いますが、オールシーズンでできるということですね。
最初に、味噌は半分以上が米麹 だといいましたが、この米麹の量によって、「濃色味噌」になるか「白味噌」になるかが決まります。
米麹を多くすると甘~い白味噌になります。
今回のワークショップでは、大豆と米麹の割合は1kg:1.3kg。
濃い色の味噌ができあがる予定です。
しっかりと米麹と混ぜたあとは、さらに塩を500gほど加えて混ぜ込みます。
水気が足りない場合は大豆の煮汁を継ぎ足して混ぜます。
しっかりと混ぜたらこれで味噌の仕込みは完成です!
大豆を潰してからここまでがおよそ30分です。
あっという間ですね。
これを保存容器に移しかえます。
糠床(ぬかどこ)をつくる
家庭の場合はこの上にサランラップなどをして保存することが多いそうですが、山岡酒店さんのワークショップでは糠床(ぬかどこ)でフタをして、カビを防ぎます。
まずは米糠をナベでしっかりと炒ります。
米糠にいる細菌や小さい虫を処理します。
「真夏の砂浜」のような熱さになったら炒るのを止めて、容器に移し、この米ぬかに飽和食塩水をいれて、よく混ぜます。
先ほど仕込んだ味噌の上に、この糠床をのせます。
塩をかければ完成。
この最後の塩は、外の空気が触れやすく、ここからカビが生えやすいのでそれを防ぐためです。
お盆明けには味噌も完成。
この糠は味噌のうまみを吸収して、いい感じの糠床になるそうです。
保存のポイント
●日当たりがなく、湿気がすくないところ
●定期的にフタをあけ、糠にカビが発生していればそこを取り除く
いかがでしたでしょうか?
味噌仕込だけなら必要な材料は、大豆、米麹、塩だけです。
とっても簡単につくれるので、少量から試してみるのはいかがでしょうか?
冒頭に紹介したように山岡酒店さんも実行委員を務める「地ビール祭2017」が今年も5月に開催されます。
現在、当日運営のボランティアを募集されています。
ボランティアスタッフにはもれなく地ビールの引換券もついてきます!
ボランティアしながらビールを飲めるイベントはそんなにないと思います・・・。
ちなみに、私鈴木はお酒を一滴も飲めませんが、過去3年スタッフをさせていただいております。
地ビール以外にも商店街のお店が美味しいおつまみを販売しているので、ビールが飲めないひとも十分楽しめますよ。
山岡酒店:https://www.yamaokasake.com/
地ビール祭京都2017:http://kyoto-beer.jp/info.html