困っている旅行者に英語で声をかけたい!道案内に特化した英会話を広める「あっちこっちプロジェクト」
What’s up!
SUZUKIです。
大学一回生の夏休みにインドにいって、SUZUKIって名乗るだけでみんな優しくしてくれて、ああ、鈴木ってかっこいい姓だなって初めて思いました。
さて、京都にはインドはもちろん世界中から旅行者が訪れ、その数は日に日に増えているのが目に見えてわかります。
街で迷子になっている海外旅行者を見かけることも多々あります。
そんなとき、みなさんは声をかけていますか?
正直、ぼくはあまり声をかけることができていません。
ぼくに声をかけてくれたら答えますよぉといった雰囲気をかもしだすのでいっぱいいっぱいです。
声をかけたとして・・・
道に迷っているのではなくただ地図を見ているだけだったらどうしよう。
英語じゃなくてほかの言語だったらどうしよう。
自分が全然知らないところを探していたらどうしよう。
なんだかこちらの心配事ばかり考えてしまって、なかなか声をかけられません。
そんな不安をひとつひとつ解消し、道案内に特化した英会話を教えてくれるのが「あっちこっちプロジェクト」さんです。
発足から3年。
道案内英会話の講座を開き、休日には伏見稲荷や円山公園で海外旅行者に英語で話しかけるフィールドワークを実施するなど、だれでもできる英語でのおもてなしを広めています。
今回は、「あっちこっちプロジェクト」代表のマナベリョウさんに、活動を始めてから3年たった現状と、これからの展望などをお伺いしました。
あっちこっちプロジェクトのおもてなし流儀
――よろしくお願いします!
ぼくが最後にあっちこっちプロジェクトのワークショップに参加したのはもう2年前になるので、こちらの事務所に来たのは初めてです。
マナベ:よろしくお願いします!
ようやくオフィスを構えることができましたよ(笑)
――すごいですよね!
あっちこっちプロジェクトでは、富士山、鷹(タカ)、なすびのバッジを、この活動に賛同してくれる市民にお渡ししていますが、メンバーはどれくらいいるんですか?
マナベ:バッジをお渡しした数は2,000ぐらいですね。
英語力と京都の知識の両方を基準にしてバッジをお渡ししていますが、富士山は6人で、あとはタカとなすびが3対7ぐらい。
「困っている旅行者に声をかけられるようになりたい」というひとが最初の一歩を踏み出せるようにと始めたプロジェクトなので、メンバーの7割のひとが「なすび=英語初心者」というのはとてもうれしいです。
――今日は自分のなすびバッジを持ってきました。
プロジェクト関係者以外でバッジを受け取ったのはぼくが初めてだと伺っているので、ぼくはなすび暦が最も長い古参ですね。
マナベ:初めて連絡をもらったときは驚きましたよ。
「うわ! なんでこのひとあっちこっちプロジェクトのこと知ってるんだ! あ、ウェブを公開したのか・・・」って。
あれから3年、ずっと道案内だけやってきましたよ。
やっていることは当時とあまり変わらなくて、道案内英会話のクラスや、休日のフィールドワークがメインです。
それらのイベントに参加してくださるメンバーさんからいただく参加費のおかげで運営もできています。
人数も増えたので、メンバー間の交流促進のために、英語クッキングや、外国人に人気の観光地を視察する遠足などのレクリエーションもやっています。
あ、今年は3月19日を道案内の日に勝手に制定して、みんなでおそろいのTシャツをきてイベントもやりました。
3・1・9で、ミチ・アン(フランス語で1)・ナインです。
――これだけ人気になってくると、企業から英会話の講習会の依頼とか増えてきたんじゃないですか?
お店での英会話は必須スキルになっていそうですし。
マナベ:そういうのは一切やってないんですよ。
飲食店や、商店街で英会話を学んで海外旅行者をもてなそうというのはすごくいいことなんですけど、あっちこっちプロジェクトが普及すべき「おもてなし」とは違うんです。
あっちこっちプロジェクトのクラスに来ているひとたちって、何の見返りももとめていないんですよね。
ただただ旅行者を助けたい、自分が助けられなくて悔しいからなんとかしたいと思って、講習費を払って参加してくれてる。
講習を受けたからって英検のような資格をもらえるわけでもない。
あっちこっちのメンバーさんは、「こうありたい」という自分像を実現するために英語を勉強しています。
メンバーさんに村上さんという方がいて、この方は84歳のかわいいおばあちゃんなんですが、タクシーに乗って英会話のクラスに来てくれています。
「家の前で困っている外国人に声をかけられなかったら、先生、一言でもいいから教えてください」って。
あっちこっちプロジェクトがやるべきなのはそういうひとたちへの語学サポートの提供だと思ってます。
――かっこいい!
企業研修で稼ごうなんて安直な質問をして恥ずかしいです。
――3年もやっているマナベさんですが、道案内をして大変だったことってありますか?
マナベ:良い意味で困ることと、悪い意味で困ることがあります。
良い意味で困ることは、自分の頭の中でパズルをするような質問をされること。
目的地にたどり着けたときは達成感があって楽しいです。
悪い意味で困ることは、例えば民泊でしょうか。
旅行者が住所を印刷した紙を持ってくるんですけど、その住所に書いてあるマンションがないんですよ。
通りすがりのおじいさんに声かけて、その人が銭湯の番台さんを呼んできて探してくれて、結局、掲載されているマンション名が間違っていたっていうこともありました。
場所がわからなくてうろうろしている旅行者も多いですし、不親切な民泊運営者が増えたような気がしますね、無責任です。
――不親切な民泊運営についてはとある銭湯の番台さんも同じようなことをおっしゃっていました。
マナベ:ぼくもよく銭湯に行くんですけど、海外旅行者増えましたね。
いつも一人はいるような気がします。
――先日、あっちこっちプロジェクトのFacebookグループで、銭湯の入り方を英語で教えたという投稿もありましたね。
マナベ:路上だけでなく、そうした公の場所でもあっちこっちで学んだ英語を使ってくださるのは嬉しいです。
銭湯には、あれはしちゃダメ、これはしちゃダメ、と英語でかかれたものが貼ってあるんですけど、ダメという言い方ではなく、こうしたらいいよと教えてあげたほうがいいですよね。
あとは何でもかんでも英語じゃなくて、銭湯でつかう日本語を教えたらいいのにと思っています。
――いい湯だな~、とか。
日本語を教えてあげる、っていいですね。
――これからはどんなことを?
マナベ:あっちこっちプロジェクトとしては、メンバーさんや旅行者が交流できるコミュニティスペースを持ちたいですね。
それからもっとたくさんの方にプロジェクトの存在を知ってもらいたいですね。
困っている旅行者に英語で声をかけられるようになりたい、というひとはまだまだ多いはずです。
ただ、メンバーの数が急に増えればいいというのではなく、これまでも同様、ビジョンに共感してくださるみなさんとの関係性が希薄にならないペースで、コミュニティとしてじっくりと成熟していくのが理想です。
新聞に取り上げていただくと、たくさん問合せがあって嬉しい悲鳴をあげることもありますが、バッジを郵送してそのひととの関係が終わってしまうこともあるので、ぜひ一度英会話クラスや、フィールドワークに参加してあっちこっちプロジェクトの雰囲気を感じてほしいですね。
――マナベさんはコミュニティをとっても大切にされていますよね。
マナベさん個人としてはどんなことを?
マナベ:道案内でもっと難しいシチュエーションに遭遇したいですね。
じゃないと勉強会で教えることがなくなってしまうんです。
3年間通ってくれているメンバーさんは、相当レベルアップしてきているので(笑)
あとは、日本人がひとによって口調が違うように、英語にも同じ意味でもいろんなフレーズがあるんですよ。
真面目な感じの口調のひともいれば、なんだかラテン気質のノリのひとも。
英会話のクラスも、そういうので分けたほうがいいんじゃないかなぁって思ってます。
――映画で言いそうなキザなフレーズとか知りたいです(笑)
最後に、英語で道案内するときのポイントを教えてください。
マナベ:そうですね・・・。
ひとつはわからないことはわからないとはっきり言うこと。
もうひとつはボディランゲージですね。
――ボディランゲージですか!?
マナベ:見知らぬ人に話しかけるので、話しやすい雰囲気をつくるのはとても大切です。
――最後が意外すぎました(笑)
今日はありがとうございました!
マナベ:ありがとうございました!
今後、あっちこっちプロジェクトさんにご協力いただき、Wa!でも簡単な英会話を紹介します!
マナベさんが最後に言っていた「ボディランゲージ」が気になる・・・。
あっちこっちプロジェクト
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