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夏に食べたい!「京野菜」4選

みなさんは、「京野菜」ってご存知ですか?
京野菜には、主に京都府が定める「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」の2つの定義があります。
実は、「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」には異なる選考基準が設定されているんです。

「京の伝統野菜」は、1987年に京都府によって以下のように定義づけられました。
京・・・京都府内全域で生産されたもの。
伝統・・・明治維新(1867~1877年ごろ)以前から導入栽培されていたもの。
野菜・・・たけのこを含むが、キノコ、シダ類は除くもの。
これらを満たしたものが「京の伝統野菜」ということになります。

「ブランド京野菜」とは、京都の特徴的な農林水産物の中でも、品質的・量的に優れたものであると京都府や京都農協中央会などに認定された野菜や果物のことを指します。
また、このブランド京野菜には安全や環境に配慮した生産方法に取り組んでいると認められたものが当てはまります。

このように京野菜といっても複数の定義があり、1つの厳密な定義はないということが分かります。
ここではその京野菜の中から、夏に旬となる「夏に食べたい京野菜」を紹介していきます。

今回紹介する京野菜は以下の通りです。

●賀茂なす
●万願寺とうがらし
●伏見とうがらし
●鹿ヶ谷かぼちゃ

関連記事:冬に食べたい!「京野菜」7選

賀茂なす

賀茂なす

1.特徴

黒紫色で大きな球体型のなすです。
実がつまっていてずっしりと重く、1コ250~300グラムほどあります。
皮は大変薄く、柔らかい食感です。
皮が薄いため、キズがつきやすく変色しやすいという特徴があります。
また、ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでいます。

「水喰いの肥料喰い」と言われるほど、栽培に手間がかかる野菜です。
上賀茂一体で栽培されてきたなすで、最近は京都市以外、京都府下でも栽培されるようになりました。

2.旬

夏。4月下旬~9月下旬

3.選ぶポイント

張り・つやがあるものを選ぶのがよいでしょう。
また、濃い紫色をしたものがオススメです。

4.保存方法

寒さに弱いため、常温保存が理想です。
すぐに使わない場合は、ラップに包んでから新聞紙などで包んで冷蔵庫へ入れましょう。

5.料理

肉質がつまっていて煮炊きしても形が崩れません。
また油を吸いすぎることもありません。
そのため、なす田楽などたっぷりの油を使う料理に向いており、果肉の美味しさを楽しめます。
歯切れ・歯ごたえもよく、漬物や糠漬けにも向いています。

料理では、なす田楽、揚げだしなす、そぼろあん、マーボーなすなどがオススメです。

6.値段の目安

1コ400~600円

万願寺とうがらし

万願寺とうがらし

1.特徴

大きくてボリュームのあるとうがらしです。
肉厚であり、柔らかいのが特長です。
また特有の風味を持ち、甘味を含んでいます。

鮮やかな緑で彩りもよく、ヘタの下にくびれがあるのが特徴です。
種が少なく食べやすいため、様々な料理に使うことができます。
ビタミンや食物繊維を豊富に含んでいます。
特にビタミンAはピーマンの約2倍の量を含んでいます。

京都府舞鶴市万願寺地区で、伏見とうがらしとカリフォルニア・ワンダー系のとうがらしを交配して生まれた品種だと言われています。
外国系とうがらしの血統を持つとされながらも、京の伝統野菜に準ずる野菜として指定されています。

関連記事: 「緑のしあわせ」を体験せよ!とうがらしが主役の『万願寺まつり2017』が開催

2.旬

夏。6月~10月

3.選ぶポイント

緑があざやかで、果肉が肉厚のものがオススメです。
また、張り・つやがあるものを選びましょう。

4.保存方法

寒さに弱いため、常温保存が理想です。
すぐに使わない場合は、乾燥しないようビニール袋などに入れて冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。

5.料理

柔らかく、甘味があり、種が少ないため様々な料理に人気の野菜です。
万願寺とうがらしの鮮やかな緑色を生かして色よく仕上げるため、調理の際は火を通しすぎないことが大切です。

料理では、焼きとうがらしや、万願寺とうがらしの肉詰めがオススメです。
またパスタに入れても彩りのよい料理に仕上げることができます。

6.値段の目安

100グラム500~700円

伏見とうがらし

1.特徴

濃い緑色をした甘味とうがらしの一種。
皮が柔らかく、辛味のでない品種です。
細長い形状で、先端がとがっているのが特徴です。

江戸時代から京都の伏見地区で栽培されてきました。
現在は精華町や福知山市、丹波地区などでつくられています。

2.旬

夏。5月下旬~9月

3.選ぶポイント

色が濃く、つやと張りがあるものを選びましょう。
形が曲がっていないものがオススメです。

4.保存方法

乾燥しないようビニール袋などにいれ、冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。

5.料理

甘味とさわやかな風味が持ち味です。
そのまま焼いて食べたり、てんぷらや炒め物にしても美味しく召し上がれます。
料理では、焼きとうがらし、肉味噌炒め、佃煮などがオススメです。

6.値段の目安

100グラム400~700円程度

鹿ケ谷かぼちゃ

1.特徴

ひょうたん型をした大ぶりのかぼちゃです。
このひょうたん型を生かして、食用だけでなく、インテリアなどに使われることもあります。
ユニークな形で親しまれている鹿ケ谷かぼちゃですが、栄養価の高さにも注目が集まっています。
普通のかぼちゃに比べてビタミンや食物繊維、成人病予防に効果を発揮するリノレン酸などを多く含みます。

京都市左京区鹿ケ谷の安楽寺では、毎年7月25日に無病息災を祈願する「かぼちゃ供養」が行われています。
この安楽時の「かぼちゃ供養」において、鹿ケ谷かぼちゃが使われています。

現在普及しているエビス南瓜に比べて味が淡白で甘味が少なく、水分を多く含んでいます。
エビス南瓜が登場する以前は、京都ではかぼちゃといえば鹿ケ谷かぼちゃでしたが、現在はあまり市場に出回っていません。
現在は主に綾部市で栽培されています。

2.旬

夏。7月上旬~8月中旬

3.選ぶポイント

皮が硬く、重さのあるものを選びましょう。
表面に白い粉をふいてオレンジ色なら完熟なのでオススメです。

4.保存方法

まるごとの場合は、常温保存ができます。
カットした場合は、ラップなどで包み、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

5.料理

普段口にするかぼちゃに比べて味が淡白な分、様々な味付けをすることができます。
ひょうたん型のかたちをいかして中に詰め物をした料理もオススメです。

料理では、肉詰めや甘煮、あんかけがオススメです。
グラタンやスープにしても美味しく召し上がれます。

6.値段の目安

1コ800円前後

参考文献

田中大三監修(2009)『まるごと京野菜 からだがよろこぶ京都ブランド』青幻舎
上田耕司(文)・星川新一(写真)(2003)『新撰 京の魅力 決定版 京野菜を楽しむ』淡交社
林義雄・岩城由子(1988)『京の野菜-味と育ち-』ナカニシヤ出版

writerWRITERこの記事の作者
kawashima

この記事を書いたひと マル

京都の大学に通う学生ライター。 丸顔なので「マル」というペンネームに。 学生ライター仲間を募集しています!
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