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2019/08/21

仕事で車を使う機会があるなら、ETCカードは欠かせません。

会社で使えるETCカードがあれば、わざわざ有料道路を利用するたびに領収書をもらう必要もなく、経費精算も楽になります。

実は法人向けETCカードには、個人向けETCカードにはない割引サービスがあることをご存知でしょうか?

今回は、経費精算が楽になるだけでなく、経費の削減もできてしまう法人ETCカード向けETCカードについて紹介します。

法人向けのETCカードは3種類

「法人向けでETCカードが欲しい」そう考える経営者の方は多いかと思います。

ただし、法人向けのETCカードと言っても実はその中に種類があるため、その違いを知っておく必要があります。

具体的には以下の3種類です。

・法人カードとセットで発行できるETCカード
・ETCのみの利用が可能な法人ETCカード
・大口利用でおすすめなETCコーポレートカード

これらのカードの違いを知ることで、高速道路の通行料金を安く抑えられます。

そのメリットを最大限に活かすには、自分が所有している会社の目的や利用事業から最適なカードを選ぶことが大切です。

では具体的に見ていきましょう。

法人向けETCカードとは

法人向けETCカードとは、その名前の通り法人名義で利用できるETCカードのことです。

法人名義のため経費として法人口座から落とせるだけではなく、個人のETCにはない以下のような様々なETC割引制度があります。

・平日朝夕割引
・深夜割引
・休日割引
・ETCマイレージサービス(対応しているカードの場合)
・大口利用割引(ETCコーポレートカードの場合)

割引内容はカードの種類によって異なります。

これらの割引制度を利用することで、高速道路利用料金をかなり割安で利用できるのが法人ETCカードを持つメリットです。

個人のETCカードと比べてかなり割引額が大きいため、高速道路を利用する必要がある仕事であれば、高速道路料金を大幅に抑えるためにほぼ必須のカードだと言えるでしょう。

法人カードとセットで発行できるETCカード

JCB一般法人カード法人カードを利用するときに、セットでETCカードがついているものも中にはあります。

その例の一つとしてあげられるのが、JCB一般法人カードです。

 

クレジットカードとETCをセットで利用できるほか、ポイントやマイルを貯められる他、ビジネスサービスも利用可能。

クレジットカードもETCも利用が多いことが予想され、両方必要な人におすすめです。

クレジットカードと一緒にETCカードがついてくるため、クレジットカードとETCを両方利用する予定がある人にとっては、1回の申請で済ませられるので手間がかかりません。

クレジットカードの中には初年度年会費無料などのものもありますので、そうしたカードであればお得に利用できるでしょう。

ただしクレジットカードの審査が必要になり、売上実績が十分にないと審査に通りにくいため、事業を起こしたての人にとってはハードルが高いです。

ETCのみの利用が可能な法人ETCカード

「ETCカードは必要だけど、クレジットカードは必要ない」

そんな人にはクレジットカード機能がなく、ETCのみの利用が可能な法人ETCカードもあります。

こちらはクレジットカード付きのものと同様審査がありますが、事業を実際にしているという証拠さえ確認できれば審査には問題なく通ります。

そのためクレジットカードの審査と比較すると、審査のハードルがぐっと下がりますよ。

必要書類としては以下のものを準備できればよいでしょう。

・商業登記簿謄本(法人の場合)
・所得税確定申告書(個人事業主の場合)

ETCマイレージ

またETCマイレージに登録することで、ETCマイレージを貯めていくこともできます。

還元率は、約10%前後のものが多いです。

ただし、法人ETCカードの中にはETCマイレージのポイントが貯められないものも。

審査がクレジットカードほど厳しくない代わりに、最初に出資金とカード発行手数料が発生します。

支払いは基本口座振替で締め支払日に支払う形となり、月々の支払いの際には支払い手数料がかかります。

出資金は脱退時に返金されるものですが、あらかじめ準備しておきましょう。

また東京や京阪神の一部の有料道路、阪神高速道路などではETCマイレージが適用されない場合もあります。

上記のエリアでの利用がメインの場合にはポイントが貯まりにくいケースも。

「クレジットカード付きのETCカードは審査が厳しい」という人にもおすすめの選択肢です。

大口利用でおすすめなETCコーポレートカード

「ETCの利用が多く、月額で3万円を超える」

「車両の台数が多くそれぞれにETCカードが必要」

そんな人はETCコーポレートカードがおすすめです。

自動車1台につき5,000円を超える利用に対して割引されます。

ETC料金の割引率が大きく10〜30%もの割引を適用できます。

割引率が大きいため、ETCマイレージは適用できませんが、頻繁にETCを利用する運送業者や一定以上の割合でETCを利用する人であれば還元額が大きくなるためにすすめです。

メリット・デメリットを徹底比較

「結局どのカードにはどんなメリットやデメリットがあるのか、いまいちわかりにくい」そう感じている人も多いのではないでしょうか。

ここではそれぞれのカードのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

法人カードとETCカードのメリット・デメリット

法人カードとETCカードがセットになっているもののメリットは以下の通りです。

・クレジットカードでETC以外のものも経費として処理できる
・ETCマイレージを貯められる
・クレジットカードのポイントやマイルがたまる
・クレジットカードの付帯サービスが利用できる

法人クレジットカードと、ETCカードがセットで利用でき、割引も受けられるため、お得に利用できるのが魅力です。

一方でデメリットととしては以下のものがあります。

・審査のハードルが他の2種類のカードよりも高い

残りの2種類のカードと異なり、クレジットカードとして審査を行うため、審査に通るまでのハードルが高いことがデメリットです。

・事業として3年以上継続している
・安定した売り上げがある

審査においては以上の2点について検証されるため、事業を始めたばかりの人や売り上げが安定していない人の場合、審査に通らないことも十分に考えられます。

・法人ETCカードのメリット・デメリット

法人ETCカードのメリットは以下の通りです。

・審査のハードルが低い
・起業後すぐに申請できる

法人ETCカードはクレジットカードではなく、協同組合を通して発行されるため、審査のハードルが下がることがメリットです。

事業年数が審査基準に関わらないため、事業を始めたばかりの人でも簡単に申請できます。

法人ETCカードのデメリットとしては以下の点が挙げられます。

・月々の支払いに手数料が上乗せされる
・保証金が必要になることもある
・ETCマイレージが利用できないものもある
・東京、京阪神の一部区間ではマイレージが利用できない

法人ETCカードはETCの利用額に応じて5〜8%の手数料が設定されています。

手数料の高い8%のものであれば、ETCマイレージへの登録が可能ですが、5%のものの場合にはETCマイレージの登録ができません。

とは言え、マイレージが利用できるカードでも、東京・京阪神の一部区間ではマイレージが貯まらない区間もあります。

そうした区間での利用をメインにする場合には無理にETCマイレージを利用できるカードを選ぶより、手数料の安いカードを選んだ方が良い場合もありますよ。

ETCコーポレートカードのメリット・デメリット

ETCコーポレートカードのメリットは以下の通りです。

・利用頻度が高いと割引率が上がる

ETCコーポレートカードのメリットは利用額が大きいほど割引額が上がることです。

月間のETC利用代金が3万円を超える場合には、こちらのカードでの割引率が最も高くなります。

デメリットとして挙げられるのは、以下の点があります。

・1台の車両に1枚のカードしか利用できない
・申し込みに手間がかかる
・ETCマイレージは利用できない
・一部手数料がかかる

ETCコーポレートカードは、1台の車両につき1枚のカードしか適用させられません。

そのため、1枚のカードを使いまわしたい場合やレンタカーの利用などはできないことには注意が必要です。

ETCコーポレートカードの申し込みに手間がかかるのもデメリットです。

具体的には以下の要因があります。

・提出書類が多い
・連帯保証人、または保証金が必要になる

こうした点から、利用に手間がかかることには注意が必要です。

東京、京阪神の一部区間ではいずれにしてもETCマイレージは付与されないため、こうした場所で利用するのであれば特に気にする必要はありません。

ETCコーポレートカードは、617円の年会費がかかります。

また初回のカード発行と紛失した場合などの再発行には617円の手数料がかかります。

また組合からの発行の場合には協同組合費として10,000円の供出が必要になるものもあります。

この場合には脱退するときに返還されるものです。

どのETCカードが最適なのか

「結局自分の場合にはどのETCカードを選べばよいのかわからない」という人もいるのでしょう。

確かに、法人用のETCカードの選び方は個人のものとは異なるためわかりにくい人が多いかと思います。

そんな人に向けてここでは法人向けETCカードの最適な選び方について紹介します。

具体的には以下のように選ぶとよいでしょう。

法人向けETCカードの選び方
設立間もない場合 法人ETCカード
カーシェアを利用している場合 クレジット付きETCカードまたは法人ETCカード
経費を一元管理したい場合 クレジット付きETCカード
経費を最も安く抑えたい場合 クレジット付きETCカード
利用頻度が高い場合 ETCコーポレートカード

法人用ETCと一口に言っても利用環境や事業規模によって最適なカードは変わります。

それぞれのケースについてもう少し具体的に見ていきましょう。

設立間もない場合は法人ETCカード

会社を設立して間もない場合には法人ETCカードがおすすめです。

というのも、法人ETCカードはそのほかのものと比べて、審査のハードルが低く、新規で始めたばかりでも審査に通りやすいから。

クレジット付きのものはほとんどの場合、3年間の事業実績が必要になりますし、ETCコーポレートカードは書類の準備が複雑です。

また審査が早く終わるため、発行も早く、急ぎでETCカードが欲しい場合にもおすすめです。

カーシェアを利用している場合はクレジット付きETCカードまたは法人ETCカード

カーシェアを利用している場合にはクレジット付きETCまたは法人ETCカードがおすすめです。

というのも、ETCコーポレートカードはカーシェアでは利用できないからです。

ETCコーポレートカードは1台につき1枚のカードしか設定できずそれ以外の車両には使用できません。

複数車両でETCを利用する場合には、ETCカードの管理が必要になります。

そのため、カーシェアの車ではETCを利用できなくなってしまします。

経費を一元管理したい場合はクレジット付きETCカード

経費を一元管理したい場合はクレジット付きカードが、管理の手間が少ないためおすすめです。

ETCの他にクレジットで支払ったものも利用明細書で一元管理できるため、明細を簡単に管理できます。

経費を最も安く抑えたい場合はクレジット付きETCカード

「経費をできるだけ安くしたい」という場合には、クレジット付きETCカードがおすすめです。

というのも、法人ETCカードやETCコーポレートカードは、共済金を払わなければいけない場合もありますし、何らかの手数料がかかります。

クレジット付きのものであれば、支払いの際に手数料がかかることはありませんし、カードのポイントやマイルを貯めることもでき、ポイントで経費削減も可能です。

利用頻度が高い場合はETCコーポレートカード

「月額で30,000円以上利用する」そんな場合にはETCコーポレートカードがおすすめです。

というのも、大口利用の場合にはそれだけ割引率が高くなるから。

そのため、利用額が大きければ大きいほどコーポレートカードを利用するメリットも大きくなりますよ。

まとめ

法人向けのETCカードは3種類あり、会社の状況によってどのカードが適しているのかが異なります。

まずはクレジット機能が必要かどうかで考えてみるといいでしょう。

また、会社設立後すぐでも申し込むことができる法人カードもあるので、まずは法人カードから申し込んで、その結果を見てから法人ETCカードに申し込むのも方法です。

まだ導入していないのであれば、経費管理や経費削減のため、法人向けETCカードを作っておくことをおすすめします。

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