会社の代表者が変わったとき、決済に利用していた法人カードの名義人が代表者であれば、名義変更をしなければなりません。
名義人でなければそのカードを使ってはいけないというルールになっているからです。
名義変更をするのは面倒だと思うかも知れませんが、安心してください。
実は、一度作った法人カードの名義人を変更するだけなら、審査もありませんし簡単な手続きで完了させることができます。
法人の代表者が変わり、法人カードの名義変更をすることになったときの対処法を紹介していきます。
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【ライター】嶋崎 -
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
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法人カードの名義人は変更できる
クレジットカードの持ち主はカードに記載された名義人だけです。
これは個人使用のクレジットカードだけでなく法人カードも同様で、契約者を変更できません。
結婚などによって名字が変わった場合は、新しい名前でも使えるように名義変更できますが、契約者が別人にカードのアカウントを譲渡するわけではありません。
改名などに伴いカードに刻印された表記を変えることは出来ても、別人が使えるようにする事は出来ないのです。
名義変更はあくまでも本人の名前の変化に合わせただけと言えます。
ただし法人カードは違います。法人カードを契約したのは社長ですが、カードの持ち主は会社そのものだからです。
そのため社長交代の際には名義人(契約者)を別人に変更する事が可能となります。
本当の契約者である会社は変わりません。
結婚による名字変更と同じように、同じ契約者(会社)のまま代表が交代しただけで継続性があるということです。
名義人変更手続きの方法
クレジットカード会社によって細かい手続きや規約は異なりますが、名義変更をするには契約している法人カードのインフォメーションデスクに電話で連絡をすれば問題ありません。
デスクに代表者の変更による名義変更をしたいと伝えれば、専用の書類を送ってくれるので必要事項を記入して返送しましょう。
この時、登記簿謄本の写しや本人確認書類の写しを同封するよう求められることがあるので、指示にしたがってください。
名義変更ができるのは名義人のみ
ただしこの手続きが出来るのは現在法人カードを契約している名義人本人だけです。
もし不慮の事故などで契約者である社長が亡くなってしまった場合は、法人カードの引継ぎが出来なくなるので注意して下さい。
また楽天ビジネスカードなど、一部の法人カードでは名義人の変更ができません。
また、代表者名義の変更にともない、新代表者名義の法人カードを作りなおす場合は、新代表者の審査が行われます。
法人カードを代々引き継いでいく予定なら、契約時点で規約をチェックしておく事をおすすめします。
名義変更のタイミングはカード見直しのタイミング
一方で、カードの待遇や条件は会社間の競争によって年々レベルアップしています。
そもそも同じカード会社を使い続ける事にメリットがあるか検討しなおすよい機会かもしれません。
名義変更後は支払先の登録を必ず変更する
名義変更の手続きが終わると新たなカードが郵送されます。
到着次第、古いカードは廃棄して下さい。
カードの名義人の刻印が変更されているのはもちろんですが、カード番号も変更されているので、各種自動支払いの登録を見直しましょう。
電気、ガス、水道などの公共料金やオフィス家賃、駐車場代、インターネット通信費など毎月カードで自動決済しているものは全て登録情報を変更する必要があります。
登録情報の変更を忘れていると決済できないという連絡が来るので注意して下さい。
ビジネスで支払いのトラブルは信用に直結します。単なる手続きミスであっても、相手が気にしないでいてくれるとは限りません。
それどころかお金が無くて危ない会社、いい加減な会社という評価をされる可能性すらあります。
法人カードの名義変更をしたら、必ず支払先の登録を変更してください。
名義変更しないとどうなるのか
代表者が変わったときに法人カードの名義変更をせず、前社長のカードを使い続けていると、不正利用を疑われたり、旧名義人に迷惑をかけたり、色々と面倒なことがおきます。
社長が退職した場合
社長がリタイアして会社とは関係がなくなった場合、同じ法人カードで決済し続けると不正利用になる可能性があります。
個人用のクレジットカードはもちろん、法人カードであってもカードに刻印された名前の人間以外が使う事は許されません。
法人カードの場合は社長が契約したカードを社員(従業員)が使うために、新たに社員の名前の入った追加カードを発行していますが、アカウント自体は前の社長の法人カードと共通です。
会社とは無関係で責任の無い人のカードで会社の経費を賄うのは一般論としておかしな話だと言えます。
たとえ引き下ろし口座が会社のものであったとしても、何故会社とは関係がない人が会社を代表してする法人カードを所持し、会社の口座で決済できるのか、という問題が生じるのです。
社長を退いても社内に残った場合
社長交代後に社内に残った場合も同様です。
相談役や役員の一人であっても、会社の信用を代表者でもない人が担保することはできません。
運用上の問題
請求が会社の支払い口座から引き下ろされるなら、契約者である前社長がいなくても「運用上は」問題なく既存の法人カードが使えます。
面倒だから名義変更せず使い続けるという選択が「指摘されるまで運用上は」可能ではありますが、法人カードを社員に渡してお使いに行かせるのと同じように明らかな違反です。
何より連帯保証人が前社長のままです。万が一利用停止になったり、利用額が払えない事態になったりと、前社長のもとに請求が行くことになります
このように代表者が変わっても同じ法人カードを使いまわすと、あらゆるシチュエーションで無理が生じます。
各種変更手続きが煩雑であっても、必ず名義変更をしましょう。
追加カードを親カードにする
また追加カードの名義人が新たに親カードの名義人となる場合、カード会社によっては追加カードを親カードにできる場合があります。
例えば部長や専務に法人カードの追加カードを持たせていた場合です。
追加カードが親カードになるのは非常にレアなケースなので、クレジットカードの公式ページでも解説をしていません。
詳しくは各カード会社に問い合わせをしてください。
名義変更のメリット
法人カードを名義変更して継続するのは多少なりともメリットがあるからこそです。
最大のメリットはアカウントの信用が積み重なっているという点です。
決済限度額が契約当時より大きくなっている場合、新しい法人カードに変えることで枠が小さくなる恐れがあります。
たとえばJCBゴールド法人カードが、契約してすぐは月間限度額100万円からスタートしたとします。
100万円を個人で使うならまだしも、仕事使いにするとやや心もとないです。営業が10人で出張すれば、結構ギリギリではないでしょうか?
しかし長年使っていると信用が高まり、クレジット枠が大きくなっているのなっていくのです。
そうして限度額が300万円になったなら、新たに法人カードを契約するよりも限度額が高い今までのカードを引き継ぐ方が名義変更して継続利用する方がいいですよね。
名義変更には、信用が積み重なり限度額の大きくなったカードを引き続き利用できるという大きなメリットがあります。
名義変更のデメリット
しかし良い事ばかりではありません。
それはより良い条件のカードと比べて劣っている場合です。
よりサービスやポイント還元が充実していて年会費が安い法人カードあるのに、条件で劣るクレジット会社を使い続けると機会損失です
特に近年は電子マネー対応のクレジットカードが増えています。
ポイント還元率なども電子決済は優遇されるので、これまで良いとされていたカードでもバージョンアップされなければ時代遅れになる可能性があります。
組織は変化を嫌うものです。明らかに条件が悪いのに、面倒だからといって改善をしなければ衰退していくばかりでしょう。
いっそのこと乗り換えるのも方法
法人カードの名義変更をして引き継ぐのではなく、社長交代とともに新しいカードに乗り換えてみるのはいかがでしょうか?
今までは会社のルールということで法人カード自体を見直す機会もなかったかと思います。
しかし会社の決まり事を変えるには何らかの大きな節目が必要です。
特に経理の立場からすれば、安定しているのなら出来るだけ変えないのが会社のためであり、正義だと考えているのが普通です。
そこでこれまでと同じやり方を踏襲するのではなく、よりよい条件があるのか検討をおすすめします。
もし今までの法人カードに満足できない、不備があるなど明確な不満があるのなら、面倒でも乗り換えた方が中・長期的には組織のためになります。
名義変更による引継ぎが煩雑なら、前社長の法人カードはキッパリ解約して新たなカードにした方が良いかもしれません。
もしクレジット枠が厳しいのであれば、複数の法人カードを作って割り当てればよいのです。
使い続けていれば枠も大きくなりますし、何も一つのカードで全ての決済を完結させる必要はないのです。
部署ごとに渡すカードが違っても問題ありません。
そこでおすすめの法人カードとしてJCBゴールド法人カードを紹介します。
JCBゴールド法人カード
JCBゴールド法人カードは、年会費がアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードより安く、追加カードの発行枚数制限もありません。
単純に年会費だけで比べるのならJCBゴールド法人カードの方が得ですが、ポイント還元率や付帯サービスに差があります。
ポイント還元率は低めですが、加盟店の商品・サービスを決済するとポイントが加算されるので、実際の還元率はかなり高めになります。
特にオンラインショッピングサービス「OkiDokiランド」を利用すると、最大で20倍のポイントが付与されます。
また追加カードやETCカードのコストが安く、制限がないのは多人数で使う場合に大きなメリットだと言えるでしょう。
年会費 | 11,000円(税込) |
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限度額 | 50~250万円まで |
追加カード | 1枚3,300円(税込) 発行枚数に上限無し |
ETCカード | 枚数制限なし、年会費無料 |
対応電子マネー | QUICPay、Edy、Googleペイ |
ポイント還元率 | 0.5%~(ネット通販なら最大20倍のポイントアップ) |
発行期間 | 2~3週間 |
付帯サービス | 海外旅行保険国、内旅行保険 オンラインショッピング保険全般 福利厚生クラブ利用権、他 |
どちらも一長一短あるので、完全な上位互換カードはありません。
新たに法人カードを検討するのなら上記2種を中心に据えると良いでしょう。
まとめ
会社の代表者が変わるとき、今まで利用していた法人カードの名義人も変更しなければ、不正利用となる可能性があります。
名義人変更の手続きはさほど難しいわけではありませんので、しっかりと完了させておくようにしてください。
そのタイミングを機に新しい法人カードに乗り換えるのもいいでしょう。
いずれにせよ新しいカードが発行されるため、定期的な支払先には決済情報の変更届を出すことを忘れないようにしてください。