法人代表や個人事業主が持つクレジットカード、いわゆる法人カードは、ただ経費精算を楽にするためのものではありません。
どんな法人カードを使っているかは、その人の価値や信頼性を高めるツールとして機能します。
つまりステータス性の高い法人カードを所持することは、会社の信用を高めることにもなるのです。
今回は、ステータス性の高い法人カードの魅力と選び方を解説します。
法人カードのステータスとは
ステータス(status)とは社会的身分や地位という意味があります。
法人カードのステータスとは、そのままカードの持ち主の社会的身分や地位を表すのです。
ステータス性が高いカードとは、カードが証明する社会的身分や地位が高いことを意味します。
法人としてビジネスを行う上で、ステータスは信用と同義です。
あらゆるビジネスで信用は命と同じくらい重要で、信用がないとビジネスが出来ません。社会的な信用が低い人と取引をするのは危険だからです。
お金を払ってくれない可能性のある相手や、代金を払っても商品を発送しない可能性がある相手と取引をする人はまずいないでしょう。
そこで決済時に使うカードがさりげない自分自身の信用の証明として機能するというわけです。
なぜ法人カードがステータスになるのか
法人カードがステータスに値するのは理由があります。
信頼に値しない怪しげな人物はカードを持てません。
ステータス性のあるカードを発行してもらうには、年会費に加えて審査があるからです。
- ・クレジット履歴に傷が無いか
- ・破産歴がないか
- ・犯罪歴がないか
- ・反社会的組織と関係がないか
- ・これまでどのくらいカード決済をしているのか
年会費無料のカードですら、信用情報が無ければ発行してもらえないご時世ですから、ハイステータスなカードであればなおさら審査が厳しくなります。
そして審査に通らないと獲得できないという点こそ、カードの持ち主のステータスとなるのです。
誰でも簡単に持てるカードは何の信用も担保されません。
ステータス性の高いカードは付帯サービスも充実
ステータスの証明にもなるカードは、ただ審査が厳しくて入手困難なだけではありません。
各種保険やビジネスラウンジ使用権、契約施設の利用予約、コンシェルジュサービスなど、値段に見合った付加価値があります。
ハイステータスなカードは、使い方によっては年会費分を簡単に取り返せるくらいのリターンを得られるのです。
ステータス性の高い法人カードとは
ステータス性の高い法人カードの代表はプラチナカードです。
プラチナカードについて
個人カードではインヴィテーションしてもらうため、頻繁に利用する必要があるブラックカードが有名ですが、法人カードにはブラックカードがないのでプラチナが最上級となります。
クレジットカードにおけるインヴィテーションとは招待制のカードの事です。
ブラックカードの場合は個人契約のプラチナカードを使い続けると、ある日突然自宅に豪華なパッケージが届きます。
梱包を解くと招待状と合わせて、番号と自分の名前が刻印された状態のカードが収められているのです。
そして付帯書類には格調高い文章で、「記載の番号に電話をして契約すれば即座にこのカードが機能しますよ」と書いてあります。
こういったお洒落な演出も大多数の人にとっての憧れとして、ブラックカードのステータスを高めたことでしょう。
法人カード最上位のプラチナも個人カードのブラックと同じくインヴィテーションが必要なケースが多いです。
まずはゴールドカードを契約して一定期間、一定金額の利用を続けて自分が信用のある人物であることを証明しないと招待されません。
すぐに発行してもらえるわけではないのです。
ゴールドカードについて
ゴールドカードはこちらから申し込んでカードを発行出来ます。
プラチナに比べれば獲得しやすく長期にわたる審査もありませんが、付帯サービスは十分に充実しています。
法人カードを作るならゴールドカードから始めるとよいでしょう。
アメックスとダイナース
クレジットカードの中でも特にステータス性が高いのがアメックスとダイナースです。
その理由を解説するために、まずはプロパーカードと提携カードについて紹介します。
プロパーカードと提携カード
クレジットカードにはたくさんの種類があります。
保険会社や小売店、会員制スポーツクラブまで、数多くの会社が発行しているクレジットカードですが、肝心の決済代行機能(クレジット機能)を提供している会社は数えるほどしかありません。
- VISA
- JCB
- マスター
- アメリカン・エキスプレス
- ダイナース
上記が代表的な決済代行機能を提供している会社です。
世界中を探せばローカルな決済代行をしている会社がいくつもありますが、使える地域が限られています。
日本国内はもちろん世界レベルでは実質的に5社だと言っても問題ないでしょう。
銀聯カード
ただし利用者が多い例外として中国の銀聯カードがあります。中国ではアメックスやVISAを代表とするクレジットカードが使える店はごく少数で、銀聯カードがメインです。
そのため6大クレジットカードとして銀聯カードの名前が上げられることもあります。
日本から中国へ海外出張する人が現地で使うために銀聯カードを作るメリットはありますが、日本でビジネスをするのならまず使い道はないでしょう。
プロパーカード以外は提携カード
このようにクレジット機能を提供している会社が発行するカードを、プロパーカードと呼びます。
プロパーカード以外のカードは提携カードと呼ばれます。
一例をあげて解説すると、JRが発行するビューカードは提携カードです。クレジット機能はVISAが提供しており、JRが管理しているわけではないからです。
電子マネーのsuikaの部分はJRが管理していますが、suikaにオートチャージする時の決済はVISAが行っています
ビューカードに代表されるように、クレジットカードの多くは提携カードなのです。
数少ないプロパーカードはそれだけでステータスとなります。
中でも別格なのが、アメックスことアメリカン・エキスプレスカードとダイナースカードである事は間違いありません。
特にアメックスは知名度抜群でステータス性が高い
世界的にも有名な両社ですが、日本国内でダイナースを知らなくてもアメックスを知っている人は多いでしょう。
アメックスの知名度がダイナースより上であることは間違いありません。
アメックスのカードに印刷された人物はローマ帝国の100人隊長(ケントリオ、英語読みでセンチュリオン)です。
彼のイラストは誰もが目にしたことがあるでしょう。
センチュリオンのようにカードの利用者を守る、という意味で使われているのですが、ローマ帝国の再来としてのアメリカという面からアメリカン・エキスプレスカードを考察するとおもしろいですね。
アメックスの利用者は現代の帝国の庇護を受けるというわけです。
ローマ帝国のイメージと重ねているアメックスに対して、ダイナースは三井住友傘下となっています。
国際感がやや薄く感じられる点で、ステータス性の面の弱さを感じる人がいるかもしれません。
ステータス性が高いメリット
ステータス性の高い法人カードを持つ事によって得られるメリットは数多いです
旅行保険やポイント還元、提携施設、ビジネスサポート、コンシェルジュなどの付帯サービスが充実していて、ビジネスに役立ちます
またステータス性の高い法人カードを持てるということは、審査をパスできるだけの信用をクレジットカード会社に認められている証明であり、年会費を払うだけの余力がある事の証明です。
法人としても個人としも、対外的にも従業員に対しても信頼があがります。
従業員(社員)の立場になってみましょう。
もし自社の社長が誰でも持てるようなクレジットカードで社用品を決済していたら、どんな気分になるでしょうか?
あるいは出張の際に経理から渡されたカードがファミマTカード(失礼!)だったらどうでしょう。
取引先との接待の席で決済するときに見せたくないですよね。
なんとも頼りないような微妙な気持ちになるのは想像に難くありません。
これがステータスの重要性です。決して軽んじてはいけません。
ステータス性の高いカードを持つことによるデメリットについて
法人カードを持つことが何もかも全ていいことずくめというわけではありません
唯一の問題点は年会費です。
不景気の世の中ですから無料のクレジットカードもサービスの質を高めてきています。
明らかに無料のクレジットカードと比べて有益で、信用の為とはいえ年会費を払うのは懐が痛いと感じる人もいるでしょう。
しかし年会費は支払手数料として経費計上できるので、完全なデメリットになるわけではありません。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
ステータス性の高い法人カードの選び方
法人カードにはたくさんの種類があります。
比較表を作ったので、まずはご覧ください。
カード名 | 総合力 | 年会費 | コスパ | 還元率 | ステータス | 審査 | 特典 |
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アメリカン・エキスプレス ・ビジネス・ゴールド・カード |
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JCB法人カード |
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アメリカン・エキスプレス ・ビジネス・カード |
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三井住友ビジネスカード for Ownersクラシック |
おすすめはアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード
上記の比較表からみて明らかなように、おすすめの一枚はアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドです。
年会費36,300円(税込)で下記の手厚いサービスが付いてきます。
まずは「帝国ホテル東京」本館五階にあるビジネスラウンジを無料で使えます。千代田区にある誰もが知る歴史ある高級ホテルのラウンジです。商談や打ち合わせの場として最適ですね。
通常ならひと月20,000円の利用料がかかるところを、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドがあれば無料です。
これは同じアメリカン・エキスプレス・ビジネスカードでも、ノーマル(緑色の方)ではついてきません。
接待時の店選びにはコンシェルジュサービスが使えます。コンシェルジュとはリクエストに対応するスタッフの事です。
コンシェルジュに相談すれば店選びから予約まで任せることができるのです。
会食のセッティングも業務の一部ですからコンシェルジュを使う事で効率化出来ます。
その他、ビジネス面での情報サービスも充実しており、帝国データバンクの企業情報や東京商工リサーチ企業情報などからオンラインで情報入手できます。
もちろん会費に含まれているので、いくら使っても無料です。
また75,000以上の施設と契約している福利厚生プログラムがあります。
昭和の高度成長時代は会社が避暑地や景勝地に施設を持っていましたが、今では必要に応じて利用できるサービスが中心です。
福利厚生のために、めったに使わない設備を維持しておく余裕のある会社は減りました。
そこでアメックスビジネスゴールドの福利厚生プログラムを活用すればよいのです。
更には24時間365日無休で健康に関する相談を受けつける電話サービスがついています。
ちょっとした不調な気になる事を直接問い合わせ出来るのは便利ですよね。
海外出張でも便利
出張にもアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドは最適です。
国内線の搭乗を直前まで予約・変更できるアメリカン・エキスプレスJALオンラインが使えますし、空港ラウンジの使用が出来て、旅行傷害保険もついています。
海外出張先での24時間日本語サポートもありますし、ビジネス交流の場としてビジネスカード会員限定イベントもあります。
イベントでは販路が広がるかもしれません
ポイントの還元率も高いですし、もちろんネット通販の際に不正利用されたときのために盗難補償が付いています。
このようにアメックスは数少ないプロパーカードですし、さまざまなビジネスシーンに適した付帯サービスが充実しています。
特にゴールドクラスのよいところは電話サービスが使える点です。
口頭で伝えて解決するので業務の効率化に役立ちます。
アメックスのブランド力もあるので、法人カードを作るのならベストの選択だと言えるでしょう。
これ以上の格となるとプラチナカードになりインヴィテーションが必要で、申し込んで発行してもらうことはできません。
まずはゴールドカードを入手し、さらに上のステータスのあるカードに育てていきましょう。
まとめ
ステータス性で法人カードを選ぶことも、付帯する豊富なサービスを考えれば理にかなった選択方法とも言えそうです。
対外的な見られ方とともに、付帯サービスを従業員に還元することができれば、対内的な評価も高くなります。
「ステータスなんて印象やイメージでしかない」と侮ってはいけません。
それが少しでも会社経営においてプラスとなるのであれば、導入を検討すべきです。
ステータス性の高い法人カードを導入し、一歩進んだ経営を目指してみてください。