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2019/12/26

ビズローンがお届けするプロフェッショナルインタビュー!

今回は、京都市山科区のイケダ労務管理事務所代表・池田少折先生にお話をお伺いしました。

多岐に渡る社労士の仕事から、助成金のお話まで…。

池田先生が取り組んでいる仕事について語っていただきました。

ぜひ、最後までお見逃しなく。

池田 少折(いけだ さおり)

イケダ労務管理事務所 所長
株式会社 アレナ 代表取締役(IADL複合型デイサービス・経営労務コンサルタント)
一般社団法人 もうひとつの働き方 もうひとつの生き方 コミュニティ協議会 代表理事

黒字人生プロデューサー
職場活性化請負人
法律どおりの固いアドバイスでなく、依頼主様の「こうなりたい!」を大事にしている。
女性支援がライフワーク。
開業当時から先輩社労士が手薄になっている厚生労働省助成金受給相談を武器に営業を始め、生損保会社さん等と提携し、営業マンと同行相談を実施。早くから助成金受給可能性シートをネット上にアップし無料診断を実施する。
その後、京都労働局の総合労働相談員を経験し、行政調査対応、労使間紛争予防・解決等を得意分野とする。
人事・経営労務・総務部全体のアウトソーシングの他EAP、職業紹介、社会保険労務士の地位向上のため「労務管理実践道場」や平易な言葉で経営がわかる「成功塾」等研修に力を入れ、開業20年目の平成28年は「一般社団法人 もうひとつの働き方 もうひとつの生き方 コミュニティ協議会(AWR)」を設立した。
京都府社会険労務士会元理事、滋賀県販売士協会副会長、販売士1級商工会議所登録講師、産業カウンセラー協会関西支部ADRセンター調停員、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、米国NLPマスタープラクティショナー、元厚労省育児プランナー・介護プランナー。


竹内ゆみ
はじめまして!
ビズローン編集部の竹内ゆみです。
ビズローンでは専門家の方へのインタビューを担当しています。
実は私、おじいちゃんが経営者なんです。
専門家のみなさんにお話を伺って、
経営者の悩みにこたえられるように日夜励んでいます。

社労士の仕事とは

池田先生、よろしくお願いいたします!まずは、社労士という職業について教えて下さい。
池田少折さん

社労士の仕事を知っている人もいれば、なにそれ?という人もいます。
略して社労士と呼ぶことが多いですが、正式名は社会保険労務士です。
社会保険労務士という名前から、保険屋さんと思われることもありますよ。
社労士の仕事を簡単に言うと、経営で必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」の中で、主に“ヒト”に関する部分を担う仕事です。
社労士の仕事は多岐に渡るので、3階建ての家に例えてみました。

※イケダ労務管理事務所業務のご案内を元に作成

図で仕事をまとめてくださると、わかりやすいです!
池田少折さん

まずは家の1階部分から説明していきますね。
健康保険や労災保険、雇用保険等の各種保険の事務手続きは、「1号業務」と呼ばれて社労士の独占業務です。
また、ハローワークや労働基準監督署といった行政に対して経営者の代わりに物申します。
労働基準法に基づく就業規則や賃金規程を作成する仕事も、「2号業務」と呼ばれる社労士の独占業務です。
そして、社労士独占業務ではないものの、給与計算や記帳代行もおこないます。

お家の1階部分だけでも、すでに仕事量が多いですね…。
池田少折さん

ここまでは事務処理や書類作成が主です。
家の2階部分にあたるのは、主に厚生労働省が取り扱っているような助成金申請業務です。
企業の雇用安定や能力開発に関わる仕事ですね。
家の3階に当てはまるのは、労働法に関する仕組みや法律を見ながら賃金規程や退職金制度を作成することです。会社独自の人事制度や仕組みの導入とか。
最近ではメンタルヘルスの問題が大きくなっているので、カウンセリングやメンタリング、EAPもしていますよ。

世間で手薄になっていた助成金相談への取り組み

社労士は仕事の幅が広いですね。サイト上では、池田先生が助成金の取り組みを早い段階からおこなっていたということを拝見しました!
池田少折さん

そうですね。私が社労士の試験に受かったばかりの頃、すでに社労士の仕事をされている先輩方はあまり助成金手続きや相談を受けていませんでした。
というのも、先輩方はたくさんのお客さんに関与されているので、助成金ではない他の手続きに追われていたんですよね。
たくさんの先輩方が社労士として活躍している中で、私は先輩方が手薄な分野に入らないとだめだと感じていて。
そこでいち早く始めたのが「助成金受給可能性シート」でした。

「助成金受給可能性シート」とはなんですか?
池田少折さん

簡単に言うと、経営者に助成金診断項目に答えてもらうと、自分に合う助成金がわかるシートです。
「雇用保険に入っていますか?」という質問から始まって、会社の規模や形態を質問していきます。

会社を振り返るきっかけにもなりますね。「助成金受給可能性シート」をどう活用したのですか?
池田少折さん

「インターネット上での助成金無料診断」と、「損害保険生命保険の営業ツールとして使ってもらう」という2軸で活動していました。
営業の方が飛び込みで保険を売ろうとしても、なかなか話を聞いてもらえないですよね。
そこで、営業の方に「助成金受給可能性シート」を会社訪問のツールとして使ってもらったんです。
集めてもらったシートをチェックして、企業が受けられる助成金を説明するために営業同行しました。
最近は助成金のことが世間でだいぶ知られてきたので「助成金を受けたいけど、どうすればいい?」のようなストレートな質問が多いですね。

どの助成金を選べばいいのか分からないという人もいますよね。覚えておくべきことはありますか?
池田少折さん

助成金を申請する際に、まず基礎として覚えていただきたいことは、「厚生労働省の助成金は、雇用保険加入が条件であることが多い」ということです。
だから助成金申請を希望する経営者の方には、まず「雇用保険に入っていますか?」という質問をします。
会社の規模や状況に応じて、保険に入るところからお手伝いすることもありますよ。

社労士として助成金申請をサポート

ちなみに、助成金の条件が頻繁に変わることもあるんですか?
池田少折さん

大きな変更は年に1回、4月にあります。その次は10月でしょうか。
でもリーマンショックの時は、特に助成金の条件がよく変わっていましたね。2週間で変更箇所があったこともあります。
中には予算の関係で、今年度の助成金が終わってしまうこともあるんですよ。

希望の助成金が終わった際は、すぐに別の助成金を提案するのでしょうか。
池田少折さん

代わりに他の助成金を探そうとしても、年度途中では難しいですね。
労災保険が原資の場合は、年度途中で締切日があるものも多いです。
例を出すと…例えば、ある助成金の締め切りが11月15日だとしましょうか。
でも、まだ締切日まで時間があっても予算に達してしまうと、もう申請できなくなってしまうことがあるんです。
予算枠については、ときどき窓口担当者に確認するのが良いですね。まだ枠はあるかと聞くと、「大丈夫だけど、ぼちぼち終わりますよ」と言われることがあります。

締切日が決められているのに、突然終わってしまうなんて!会社を経営しながら、スケジュールを調整して、自分1人で助成金を申請するのは難しそうです。
池田少折さん

手続きの難易度は人によりますね。
助成金は、申請書を書けばいいという単純なものではありません。
添付書類が結構あって、特に労働者名簿や賃金台帳、出勤簿など人に関するものが圧倒的に多いです。
例えば賃金に未払いが発生しているかどうかには厳しくチェックが入ります。
なので、素人の方がもし自分で手続きをして資料を全部揃えたつもりでも条件を見たしていない、なんてことは多いですよ。

助成金を申請するためには、添付書類を集めるのが大変そうです。
池田少折さん

だから社労士である私が助成金申請をおこなう場合は、「フィルターをかける」という役割を意識しています。

どんな役割でしょうか?
池田少折さん

助成金申請なら、書類手続きをおこなう会社と行政の間に社労士が入りますよね。
そこで行政に書類を提出する前に、会社が作成した書類が法律にのっとって作られているのか確認するのが私の役割です。
小さな会社や初めて助成金を出す会社は、会社が作成すべき法定の書類さえ整備されていないところが多いんですよね。
例えば労働者名簿は、従業員の名前と住所は書かれていても、その他の必要な項目が足りないこともあります。
後は、雇用保険や健康保険の加入時期や割増賃金など給料に関することはよく問題に上がります。

助成金申請以前に解決しないといけない問題ですね。
池田少折さん

ほとんどは未払賃金が発生しているケースが多いのですが、計算式がわからず従業員に多めに割増賃金を払っていたなんてケースもありますよ。
時間外手当を含んで○○万円支給するというような約束をしている会社は、基本給と時間外手当を明確にはっきりと分ける必要があります。
助成金を申請する前に、賃金の支払い状況についてはすり合わせが必要です。
そもそも就業規則がない会社もあります。

助成金手続きだけでなく、就業規則作成から入る会社もあるのですね。
池田少折さん

雇用している労働者が10人未満の会社は就業規則を作ることが必須ではありません。
ですが就業規則がないと受けられない助成金もあるので、助成金申請をきっかけに就業規則を作る会社は多いですね。

助成金の最新情報を発信する本を出版

池田先生は「助成金獲得へのロードマップ ―最新助成金ラインナップ掲載―」という共著を出版されていますよね。本についても少しお話していただけますか?
池田少折さん

本を書いたきっかけは、行政から出ているパンフレットはわかりづらいという意見が多かったからです。助成金申請の際のポイントや気をつけておくべきことを行政のパンフレットなどには書いていないことまで突っ込んで書かせてもらっています。
本は主に経営者さん向けですが、社労士の資格をとったばかりの人にとってはテキスト代わりになると思います。

経営者にも社労士にも向けた内容になっているのですね!特に知っておくべきポイントを教えていただけますでしょうか。
池田少折さん

雇用保険の二事業については知っておいてもらいたいです。

雇用保険の二事業とは…?
池田少折さん

社会保険料が本人と事業主の折半ということはよく聞きますよね。
それに加えて雇用保険料も半分ずつ支払っています。
ですが雇用保険の場合は二事業といって事業主がさらに多く保険料を払っていて。
助成金を受給できる権利を持っていることを知らずに、助成金を申請しないのはもったいないということを伝えたいですね。

助成金受給の権利を持っているのに気づかないのはもったいないですね。経費のかかる売上と違って、助成金は、そのまま純利益になるんですもんね!
池田少折さん

そうですね。ですが、助成金ありきで無理してやりたくない制度改革までやる必要はないと思います。

実際に助成金がほしいからと無理な制度改革をする会社もあるんですか?
池田少折さん

中にはいらっしゃいます。
例えば定年を60歳よりも引き上げることでもらえる助成金があります。
もしも定年を65歳に引き上げたら、人件費は5年分増えますよね。
この人にいてほしいとか、会社が雇い続けても大丈夫なら問題ありません。
しかし会社の業績が傾いている時に、助成金欲しさに条件を満たすことはおすすめしません。
制度を拡充しすぎて行き過ぎた不必要な経費を払ってしまわないように、ということはよく助言しています。

実際に池田先生のような社労士に相談することで、制度や経費の見直しまでできそうですね。本日はありがとうございました!

イケダ労務管理事務所|基本情報

池田先生がいらっしゃるイケダ労務管理事務所の基本情報です。

会社名 イケダ労務管理事務所
代表者 池田 少折
所在地 〒607-8034 京都府京都市山科区四ノ宮泓2-1
TEL 075-584-6640
営業時間 9:00-17:30
定休日 土日祝日
公式ホームページ イケダ労務管理事務所

池田 少折様のプロフィール詳細

イケダ労務管理事務所 所長
株式会社 アレナ 代表取締役(IADL複合型デイサービス・経営労務コンサルタント)
一般社団法人 もうひとつの働き方 もうひとつの生き方 コミュニティ協議会 代表理事

黒字人生プロデューサー
職場活性化請負人
法律どおりの固いアドバイスでなく、依頼主様の「こうなりたい!」を大事にしている。
女性支援がライフワーク。
OL経験後、電子機器設計業界に籍を置き、プリント配線基板の設計に携わる。
株式会社アレナエンジニアリングとして現在の夫と独立。6年後、社会保険労務士資格を取得し、イケダ労務管理事務所を開設。
開業当時から先輩社労士が手薄になっている厚生労働省助成金受給相談を武器に営業を始め、生損保会社さん等と提携し、営業マンと同行相談を実施。早くから助成金受給可能性シートをネット上にアップし無料診断を実施する。
その後、京都労働局の総合労働相談員を経験し、行政調査対応、労使間紛争予防・解決等を得意分野とする。
人事・経営労務・総務部全体のアウトソーシングの他EAP、職業紹介、社会保険労務士の地位向上のため「労務管理実践道場」や平易な言葉で経営がわかる「成功塾」等研修に力を入れ、開業20年目の平成28年は「一般社団法人 もうひとつの働き方 もうひとつの生き方 コミュニティ協議会(AWR)」を設立した。
また、介護離職防止事業を深めるために介護の現場に自ら関わることを決意、平成30年5月に複合型ディサービス「ブリッジライフ京都上桂」を開設。職場の法律面だけでなく、IADL(手段的日常生活支援)を通した介護実務を取り入れた両輪からの支援をし、令和元日に1周年を迎えた。
京都府社会険労務士会元理事、滋賀県販売士協会副会長、販売士1級商工会議所登録講師、産業カウンセラー協会関西支部ADRセンター調停員、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、米国NLPマスタープラクティショナー、元厚労省育児プランナー・介護プランナー。
趣味は音楽と旅行。好奇心旺盛で適度の刺激を好み、同じことだけを繰り返す日常は苦手……。だから、好みの旅行も、見たことない、食べたことない、したことない体験等、日常とギャップが大きいほど嬉しい。直近では、マサイの戦士を仲間と訪れ年末年始を過ごした。高校時代、クラスメートとロックバンドを結成。近年再結成しライブ活動を楽しんでいる。理想は、「昨日と違う自分になること」。毎日新しい発見をして、自分を更新していきたい。いつも頭にある言葉は、両親の影響か「初心わするべからず」「継続は力なり」。 好きな言葉は、「だから、どうする!」「ピンチはチャンス」「成功とはあきらめないこと」。

執筆者からのコメント
竹内ゆみ さん

今回お話を聞かせていただいたのは、京都市山科区のイケダ労務管理事務所代表・池田少折先生です。

多くの社労士が助成金申請に対して手薄だった頃から、助成金診断や相談を積極的におこなってきた池田先生。

現在では、培った経験を元にセミナーや本出版といった活躍もされています。

プロフェッショナルインタビュー番外編では、社労士を目指したきっかけから今後の展望まで語っていただきました。

ぜひ、本編と合わせてご覧ください!

池田先生、ありがとうございました!