ビズローンがお届けするプロフェッショナルインタビュー!
今回インタビューに協力していただいたのは、京都市中京区にて、ひとり公認会計士として開業したばかりの、税理士・公認会計士事務所 原田会計:原田秀樹先生です。
原田先生は、11年間監査法人で勤められた後に独立。現在はひとり公認会計士としてさまざまなお客様のお悩みを解決されています。
今回のインタビューでは、この「ひとり公認会計士・ひとり税理士」というキーワードに焦点をあててお話をお伺いしました。
私たちが想像する会計事務所、税理士事務所とはまた少し違った世界が見えた貴重なインタビューになったので、是非最後まで読み逃しなく。
原田秀樹
1983年、京都市生まれ。
京都大学経済学部を卒業後、監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)京都事務所入所。
監査法人にて、公認会計士として製造業、卸売業、金融業、小売流通業、病院、学校法人の会計監査に従事し、多くの企業を内部から分析する力を養うとともに、監査法人内のアドバイザリ部門(コンサル部門)にて、内部統制の高度化や会計不正の防止に関する支援業務に従事。
2019年に独立し、税理士・公認会計士事務所 原田会計をスタート。
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ビズローン編集長:田中 -
当サイト「ビズローン」の運営をしております、田中と申します。
中学3年生のとき、父親の借金によって家庭が崩壊・・・。
その後、母親の勤務している医療法人の奨学金制度を利用して4年制大学へ。
毎月5万円ずつの奨学金の返済を継続中。
しかし、この借金を背負ってでも、大学に行った経験はかけがえのないものとなっています。
借金の酸いも甘いも知るオトコとして、みなさんの資金調達のお困りごとを解決するサポートをしていきます!
ひとり公認会計士・ひとり税理士とは
正直なところ、ずっと一人でやっていくかはわかりません。
今はまだ独立したばかりなので(笑)
この仕事を続けていけば、協力してくれる人が必要な場合も出てくるかと思います。
ただ、請け負った業務の専門性が高ければ高いほど、雇った専門家でない従業員に仕事を振ることは難しいと考えています。「ひとり税理士」という新しい税理士の在り方も出てきましたからね。
従業員が何人もいる税理士事務所ではなく、自分自身の力だけで仕事をしていく、フリーランスの税理士のことです。
今のところ形の上ではそうなりますね。
ただ、ひとり税理士を前提にすると仕事の単価を上げていかないといけないのですが、例えば国際税務とか組織再編税務といった単価の高い仕事をしていくというのは、税理士の中でもすごく難易度の高いことなので、私が今ひとり税理士を名乗るのはなかなかおこがましいですね。
とりあえずひとり公認会計士ということにしておいてください。
ひとり税理士は専門性の高い方が多いので、それは大きなメリットですよ。専門的な知識を持っていると安心できますよね。
大きな事務所の場合だと、相談した相手と実務を担ってくれる相手が違うということは多いですね。
不動産屋と同じで、責任者が税理士の資格を持っていれば、他の職員が無資格でも構わないんですよ。
だから、相談はトップの税理士先生が聞いて、あとは無資格の職員が実務をこなすというパターンも多いです。
経営者の方でも、勘違いしている人がいるようなので、みなさんが知らなくてもおかしくないかもしれませんね。
税理士先生とお話して、「お願いします」となっても、本当に来てくれるのは資格がない人だったりすることは多いんです。
もちろん、いろんな税理士事務所があるので、すべてがそうだとは言いませんが…。最終的に判をつく人が資格を持っていればとりあえずOKなんです。
一方でひとり税理士は、相談した相手が必ず実務にもあたってくれるので、安心感があるのはメリットですね。
無資格者が担当するのと比べると、持っている知識や経験のレベルも全然違います。
ただ、その代わり単価が多少高くなる傾向がありますけど。
そりゃ生活がかかってますから!(笑)
逆に大きな会計事務所や税理士事務所だと、安めの単価で仕事を集めて、実務は無資格の職員にやってもらって、というのはごく普通にあります。
会計事務所や税理士事務所って、そういう世界なんです。
相談していた先生が実務もしてくれるのか確認せずに契約して、こんなはずじゃなかったとなっている経営者さんがいるのも現実です。
前に出て対応してくれるのは、HPにどんっと顔が出ている先生ではなく、税理士の資格をとるために勉強している人っていうパターンが多いですね。
基本的には会計士も税理士も独立することを前提として資格をとる人が多いんです。
その中でも独立後にひとりでやっている人は、従業員に仕事を任せることによって品質管理をしなければならないことを煩わしいと感じる人が多いと思います。
ひとりでやれば、品質管理をしなくていいんですよ。
目に見えないサービスを売っている仕事なので、お客さんに満足してもらってなんぼの世界ですから、雇った職員にヘマをされると困るでしょ?
そうですね。当たり前ですが、自分が病気になって動けなくなると収入が0になるので、必死ですよ(笑)
いやー…。意識されていないでしょう(笑)
だって知らなかったでしょ?
多分、世の経営者さんはひとり公認会計士やひとり税理士だからどうというのは意識していないと思いますよ。
AI時代に求められるのはひとり公認会計士・ひとり税理士
そうですね。個人的な見解なんですけど、AIの話があるじゃないですか。
例えば、税金の計算なんて、税金計算ソフトに数字を入れれば誰でもできるわけですよ。
算出された数字のお墨付きをもらうためだけに税理士をつける時代が、程度の差こそあれもうすでに来ている気がしています。
それもあるでしょうが、今後はそれすら無意味になっていくかもしれませんね。
まだこの2019年においては、従来型の税務顧問業務をとりにいけばどんな税理士も生きていける時代だとは思います。
だけどこの先、遅かれ早かれそういう需要はなくなっていくんじゃないかな…。
税務においてシステム化できるとことは全部システム化してしまって。
そのとおり!結局のところ、税理士にとって税金計算がバリュー(価値)のある仕事じゃなくなってしまうんですよね。
今ならまだ、例えば”特別控除が適用可能かどうか”なんていう個別のケースで、税理士の判断が必要というケースもたくさんありますけど、AIが個別のケースにおける専門的な判断基準を学んでいけば、AIでも判断できるようになる。
そうすると、「税理士のバリューっていったいなんなの?」ということになりますよね。専門性で自分のバリューをつけていくしかなくなるんです。
バリューのない仕事に人件費をかける必要がなくなれば、自分の持っているバリューを活かして、ひとりで仕事をしていく公認会計士や税理士は増えていくでしょうね。
AIではできない定性的な部分にスポットをあてていく他無いわけなので。
「プライシング」というひとり公認会計士:原田秀樹のバリュー
どうしましょうかね?(笑)
個別の業務ではなくて、AIにはできない部分でバリューを見つけていくなら、お客さんがどう喜んでくれるかとういう所だとは思っています。
私のバックグラウンドが税務ではなく会計なので、当然そっちよりにはなるかと。こう見えて真っ当な会計士なので。
そうなんですけどね(笑)言ってしまうと”平均的”なんですよ。
何かで突出しているというよりかは、全体的にやってきたので。監査法人に長くいすぎたのかもしれません…。
…プライシング(価格決定)ですかね。元々私は管理会計出身なので。
プライシングについては継続的にインプットしているところです。
説明しますね(笑)
会計ってひとくくりに言っても、3つの種類があるんです。
一つは、財務会計といって、正しく利益を計算するための会計です。もう一つは税務会計といって文字通り税金計算ですね。そして最後の一つが管理会計といって、正しく意思決定するための会計です。
時間軸でいうと、財務会計は過去の会計、管理会計は未来の会計と言われます。
財務会計をベースに、この数字をどうやって経営に活かしていこうか考えるのが管理会計です。
そういうことです。管理会計っていうのは、いかに会社を良くするかというのがテーマです。
会社を良くするためには、企業風土を良くするとか、売上を上げるとか、利益を上げる、コストを減らす、いろんな方法がありますよね。
プライシングもそのひとつです。京セラ創業者であり、現代の経営の神様と呼ばれる稲森和夫さんの言葉にも「値決めは経営」とあります。
実はプライシングって、経営という大きな枠の中でも大部分を占める重要なポイントなんですよね。
経営者の悩みって、99%は次の3つに集約されるんです。
人の悩み、売上や利益の悩み、そしてお金の悩みですね。
人っていうのは、人材の話。「人が足りない、人が辞めてしまう、人が育たない、後継者がいない」という悩みを抱えている経営者の方はたくさんいらっしゃいます。
売上・利益の悩みは、言うまでもないですよね。
そうです。キャッシュがなくなれば会社はつぶれてしまうので、企業の存続という意味では、人・売上・お金の中ではもっとも大事なポイントです。
そして、この3つの悩みすべてに共通する原因の一つが、プライシングなんですよね。
売る値段も買う値段も、適切な価格をちゃんと決められれば売上利益も資金繰りも上手く回るわけです。
これは、商品の値段という話だけでなく、例えば人を雇うときの人件費もそうですね。適切なプライシングができれば、”人”の悩みも減ります。
ただ、難しいですけどね…。
自分の事務所でさえ難しいので(笑)この前も相談の依頼に対して見積書を作りまして、我ながら良い見積りだと思ったんですけど…。結果的には…うん(笑)
いやー、本当にいい見積りだと思ったんですけどね…。
私、信用無いんで(笑)
まだ独立したばっかりですしね。信用無くても仕方が無いと思いますよ。年齢も今36歳で、世間の長らく商売をしてきた経営者さんからしたら若造には違いないですしね。これから実績を上げてどんどん信用貯金をためていかないといけないです。
だからこそ、自分自身のバリューを高めていこうと貪欲にインプットを行っています。
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税理士・公認会計士事務所 原田会計|基本情報
原田先生の事務所の基本情報です。
会社名 | 税理士・公認会計士事務所 原田会計 |
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代表者 | 原田 秀樹 |
所在地 | 〒604-8211 京都市中京区六角通室町西入玉蔵町121 美濃利ビル3階 |
TEL | 075-600-2791 |
営業時間 | 9:00~17:30 |
定休日 | 土曜日、日曜日、祝日 |
公式ホームページ | 京都で税理士をお探しなら原田会計へ|経営者様を総合バックアップ! |
ビズローン編集長:田中 さん
原田先生から聞くお話はどれもおもしろくて、時間があっという間にすぎていったインタビューでした。
もちろん、面白い話だけでなく、専門的な話から、今後独立を考えている後輩会計士に向けての思いなども語っていただいております。
ひとり公認会計士をされている原田先生なら、個人事業主の方やスタートアップ企業の経営者の気持ちや苦労がよくわかっていらっしゃるんだろうなと強く思いました。
会計のこと、税務のことでお悩みの方は、ぜひ原田会計にご相談ください。