ビズローンがお届けするプロフェッショナルインタビュー!
今回は、京都市北区の会計事務所、松田晃輔公認会計士税理士事務所の松田晃輔先生にお話をお伺いしました。
みなさんが知っているようで実は知らない会計士・税理士のお仕事から、資金調達のポイントまで…。色々語っていただきましたよ!
松田先生のプロフィールに迫る番外編インタビューも合わせて、ぜひご覧ください。
松田晃輔
1984年京都市生まれ
神戸大学経営学部を卒業後、公認会計士の道へすすむ。
PwC京都監査法人を経て、2016年12月に独立。
「人の役に立つ!!人との縁を大切にする!!人と人とを繋ぐ!!」をモットーに、多くの経営者へ、業務効率化及び節税対策を基本とした税理士、公認会計士としてのアドバイスを行っている。
クラウド会計freee4つ星アドバイザー。
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ビズローン編集長:田中 -
当サイト「ビズローン」の運営をしております、田中と申します。
中学3年生のとき、父親の借金によって家庭が崩壊・・・。
その後、母親の勤務している医療法人の奨学金制度を利用して4年制大学へ。
毎月5万円ずつの奨学金の返済を継続中。
しかし、この借金を背負ってでも、大学に行った経験はかけがえのないものとなっています。
借金の酸いも甘いも知るオトコとして、みなさんの資金調達のお困りごとを解決するサポートをしていきます!
会計士と税理士。それぞれの仕事内容とは
はい。私は会計士と税理士の業務を両方やっていまして、基本的には会計士としての仕事が10%くらい、税理士としての仕事が90%くらいでしょうか。
ではまず会計士業務から。
会計士業務というのは、企業の監査をしたり、依頼があったときには公的な申請書等の書類を作成したりですかね。
あと、別の税理士さんと契約されている会社さんの経営コンサルティングのような役割を担うこともあって。その会社さんの考えている方向にちゃんと進めるようにスキームを考えることもあります。
税理士業務とかぶる部分もあるんですけどね。
税理士の業務は法人設立・法人成りをされる方のサポートがメインです。
数字の読み方に関する知識がまだ身についていない方も多いので。
ありがとうございます。
数字を見て、この数字は損益のどちらに該当するのかを正確に見極められるようにサポートさせていただいています。
やはり損益を正確に把握することがまずは大事なので。損益を、毎月1回ある程度のタイミングできれいに見れるようにして、そこから「今後の利益があがっていったときにそのお金をどう使うのか」アドバイスさせていただく形ですね。
出た利益を人に使うのか、設備に投資するのか、はたまた経営者の報酬とするのか、状況に応じた的確なアドバイスをできればと考えています。
昔はコンサル的なことをあまりしない方向だったのですが、現状そちらにも力をいれていかなければなと。
例えばお客さんを紹介したりとか、売上を上げるための方法を一緒に考えたりして。
数字の読み方を教える以外の付加価値をつけていかなきゃと思っています。すべての対応が私一人でできるわけではないので、いろいろな方に協力をいただきながらですよ。
いろいろと繋がりは持っているので、聞いてもらえたらとりあえずなにか返せるというのを目指したいなと思っています。
当然、借入の話になることもあります。
その辺は、懇意にしている金融機関を紹介させていただいて、いろいろな事情を考えながら一番の方法を探ります。
そんなことはないですよ。
法人成りされる前にある程度事業をされている方なら、計画を持って法人成りされているので、業務が急激に変わるわけでもないですから。
急激な設備投資や雇用で資金繰りに窮するということはないと思います。
法人化のポイントとは
ただ、法人化して組織になるということは、個人で事業を行うのと大きな違いがあるのは事実です。
例えば税金。いままでは所得税だけを考えておけばよかったのが、法人税と所得税のバランスを考える必要が出てきます。
法人の代表者として法人税のこと、代表者個人として個人の所得税のことを考えなければならないわけですから。
個人の場合は確定申告書の作成のみでよかったので、自力でどうにかなる方も多いのですが、法人税申告書となると、少なからず簿記の知識がないと書けない様式になっているんですよ。
申告書は作りますよ…。
ただ、決算書がないと申告書は作れませんから、まずは決算書を作っていただかないといけません。
たとえば、個人で白色申告をしている方だと、賃借対照表を作ったことがないという方もいますよね。
だとすると、決算書の作成も難しくなるのではないかと思います。
逆に、個人でも青色で申告されている方は、資産負債なども含めて知識をつけられている方が多く、法人税の申告書の作成もさほど苦にならないようです。
難しいというより、イメージがつかないと思います。
白色申告をされている方は、まずは青色申告に切り替えて、貸借対照表と損益計算書を作成し、複式簿記に慣れていく方がいいと思います。
そうすることで、損益を見通すこともできますし、青色申告特別控除も受けられますので。
法人成りすると何でも出来るようになるイメージがあるようです。
けれど、やらなければいけない面倒ごとが増えるのも事実。
面倒が増えるのは承知の上で、それでも経済的にメリットがあるということじゃなければ、法人成りしない方がいいとはみなさんに伝えています。
そう言われて、法人成りをやめられるくらいなら、絶対やめた方がいいですね(笑)
ただ、私が法人成りの大変さをしっかりとお伝えすることで、「そこまで考えないといけないんだ」という発見や気付きをもらえたと言ってくれる方もいらっしゃいます。
一人で悩みこんでしまうと、一人分の知識でしか答えがだせないですからね。
もし私に聞いてもらえるのであれば、分からないことがあったとしても、しっかりお調べして、あるいは詳しい方にお話を聞いたうえで答えをお返ししますよ。
税理士・会計士への相談は具体的に質問するのが効率的
ただ、「どうすればいいのかわからないんです」というような漠然とした質問にはお答えしようがないんですよね…。私の会社ではないですし、私の事業でもないですから。
そういった質問がきたときは、まず「あなたはいったいどうしたいと考えていますか?」という問いをしてから話をきくようにしています。
やはりイメージや案を持ってきていただかないと、なにもない手ぶらの状態ではまとまるものもまとまりません。
そうなんです。結局消化不良で終わってしまうことになりかねません。
AかBか…と、いくつか選択肢が見える状態までは経営者の方に悩みぬいていただくほかないですね。
そのかわり、そこから適切な判断をしてもうためのアドバイスはとことんお付き合いします。
そこまで具体化されていると色んなアドバイスができますよ。
まずは家賃交渉から入って、そもそも違うオフィスを探すという選択肢も提案できます。
どこか削減可能な経費がないかを見つけ出すことで問題解決に導くこともできるかもしれませんね。
売上に対してどれだけの利益を確保していけば、理想のオフィスの家賃を捻出できるのか考えるわけです。
残業代が多くなっているなら、そもそもアルバイトを入れ過ぎているんじゃないかとか、ちゃんとシフト管理ができているのかとか、根本的になぜこれだけのお金がかかっているのかという質問から掘り下げていきます。
細かいところを聞いていくと経営者自身が見落としていたポイントに気づくことがあるんですよね。
だからこそ、毎月1回はミーティングを行うのが大切です。
1年に1回だと、申告書を作成するだけになってしまうので。
例えばそのタイミングで「節税がしたい」と言われても何もすることができないんですよね。
未来の話ができる人こそ経営者にふさわしい
基本的には1時間のミーティングです。
その内15分は記帳していただいている数字を見て過去の話をします。
後の45分は未来の話をします。
未来の話をしないと、過去の数字を見る意味がないんです。
記帳していただいた数字を見て、「今はこうだから将来はどうなる」といった話や、年間売上、経費、最終利益はどれくらいになるという数字の話をしていきます。
そこから「新しく人を雇うなら、いくらくらいだったら給料が払えるか」とか「いくらくらいなら設備投資のための資金を金融機関から借りられそうか」という話にもつながっていきますね。
もちろんそれだけではなく、世の中の動きにも対応していく必要があるので、最近のトピックスなどを絡めて未来の話をしていくことも多いです。最近だと消費税増税の話とか。
経営者の方は、過去ばかりみていても稼げないですよ。加えてどんぶり勘定ではいけない。
どんぶり勘定で経営をしてしまうと、お金が入ってきても儲かってはいない場合があり、実は自転車操業になっていることもあるので。
そうですね。税金はもちろん払わなければならないものなのですから。
ただ、どうやって払うのか考えることもありますね。
今すぐ払うしかないのか、繰り延べして払っていくのか、考えていかないと。
そうやって、リスクがあるところから補填していかなければならないんです。
保険の話ももちろんしますよ。
最近では台風による被害も多いですよね。
万が一被害にあったとき、損害保険に入っていればリスクを最小限に抑えることができます。
毎月数十万円かかる保険であればちょっと厳しいですが、数万円の保険で被害に遭ったときの費用が補填されるなら入っておいた方がいいですね。
将来のリスクを最小限にして、将来の利益を最大化していかないと。
例えば、人が辞めた場合のリスクも考えておかなければならないですね。
もし従業員が辞めるということになれば、人材をどう確保するのか考えなければなりません。
外注を頼むのか、人材派遣を使うのか、従業員が辞める前に新しい人を採用して教育していくのか…。選択肢は様々です。
キャッシュを残すために重要な借入先選び
そうですね。何百万円もするような設備投資をする場合は、資金繰りも考えていかなければなりません。
一括で購入するのか、それともローンで購入するのか、またはリースにするのかなど選択肢があります。
キャッシュ、つまり現金ですね。
キャッシュが回らなくなると資金ショートして会社は終わってしまうので。
たとえば固定資産を一括で購入する場合、短期的にはキャッシュは減ってしまいますが、トータルではお得です。
ただ、短期的なキャッシュの減少で資金繰りが厳しくなるなら、分割してローンを組んだ方が得策です。
そうですね。「今の売上に対して、毎月これだけのキャッシュが残っているので一括で購入できますね」とか、逆に「ローンじゃないと厳しいですね」とか。
無理してでも自分でお金を出す選択肢もあります。
役員貸付で経営者自身が会社にお金を貸すわけです。
また、資金繰りだけを考えるなら、売上先からは早く資金を回収し、外注先や仕入先にはなるべく後で支払いをするというのも資金繰り改善の方法です。
事業資金の融資を受けるポイントは計画性
もし金融機関で融資を受けるとしたら、やはり日本政策金融公庫は対応が早いですね。
こっちがしっかりと書類を用意すれば、1ヶ月あれば融資が間に合うので。
銀行の信用保証協会だと3ヶ月程度は待たないといけないこともありますから、そのスピードは流石だなと。
金融機関が見ているのは、やはり最初の計画性ですね。
代表者のクレジットヒストリーに傷がないことも大切ですが、計画性を持って必要資金を明示できるかどうかは大きなポイントです。
例えば、年間売上3,000万円のA社が500万円の固定資産を買うというとき、100万円は自分で出すので、400万円を融資してほしいという場合を考えてみます。
毎年の売上が3,000万円のなか、利益は1~2割程度あがっていれば融資はおりるのではないでしょうか。
余剰資金に対して、どれくらいの割合で返済できるのかという計画が立てやすいですから。
逆に3,000万円の売上があがっていても、薄利で利益が100万円も残らないとなると、400万円の借り入れも難しいかもしれません。
その通りです。金融機関からの借入がたとえば60ヶ月の返済であれば、5年先まで見据えた計画が立てられないと、なかなか貸してもらえないのではないかと思っています。
しかも、絵に描いた餅のような計画ではなく、数字という根拠を積み重ねて、信頼される計画書にしなければなりません。
そうですね。
税理士や会計士がついていて、無茶な計画はたてないはずというアドバンテージはあると思います。
多いですね。
ただ、お手伝いするのは初めて融資を利用するときくらいです。
2回目からは、1回目の経験を活かして、まずは自分でやってみてくださいと伝えます。
2回目以降もずっとサポートすることになると、その度に報酬を請求しなければならないので…。
いえいえ(笑)経営者は資金繰りのこともある程度自分でわかっておかないといけないとも思うので。
まずは自分でやってみることをおすすめしています。
その上で、人に任せた方がいいのか、自分でやったほうがいいのか判断してほしいですね。
やはり自分でやってみないと、わからないことが多いんですよ。
で、その際どうやって判断するのかは細かく丁寧にやっていかなきゃいけない。どんぶり勘定では利益を出すことはできませんから。
松田晃輔公認会計士税理士事務所|基本情報
松田先生の事務所の基本情報です。
会社名 | 松田晃輔会計事務所 |
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代表者 | 松田 晃輔 |
所在地 | 〒603-8164 京都府京都市北区紫野東御所田町40-8 |
TEL | 090-1444-5237 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土曜日、日曜日、祝日 |
公式ホームページ | 京都市北区の税理士で会社設立なら|松田晃輔会計事務所 |
また、税理士業務は主に京都紫明税理士法人さまで行われています。
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会社名 | 京都紫明税理士法人 |
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所長 | 代表社員 船本智睦 代表社員 谷元 仁 |
所在地 | 〒603-8148 京都市北区小山西花池町6-10 からすま清水ビル |
TEL | 075-432-4377 |
公式ホームページ | 京都紫明税理士法人 |
ビズローン編集長:田中 さん
今回お話を聞かせていただいたのは、京都市北区の松田晃輔公認会計士税理士事務所の松田晃輔先生でした。
様々な悩みを抱える経営者の方たちの生の声を聴いてきた松田先生。
経営者ではない私たちに対しても、とても丁寧かつわかりやすく、専門的な内容を教えてくださいました。
松田先生、ほんとうにありがとうございます。
会社の設立や資金繰りのことでお悩みがあれば、ぜひ松田晃輔公認会計士税理士事務所にご相談ください。