事業資金の調達先として銀行融資は最も一般的です。
中でも、初めて銀行融資を受ける中小企業や小規模事業者の資金調達の方法としては、信用保証協会付融資が基本といえます。
信用保証協会付融資は信用保証協会の信用保証を元に融資を受ける方法で、融資をする銀行と信用保証をする信用保証協会両方の審査が必要です。
信用保証協会は銀行融資に延滞が発生すると銀行に立て替えて支払うことになります。
その分銀行の貸し倒れリスクが減るので、通常の銀行融資と比較して信用保証協会の審査は通りやすいと言われています。
今回は信用保証協会の審査基準や審査内容について解説しましょう。
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【ライター】嶋崎 -
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信用保証協会の審査基準
信用保証協会に限らず審査基準や内容は非公開なので推測するしかありませんが、基本的には銀行融資と同じと考えていいでしょう。
金融事故があれば審査は通らない
ビジネスローンの審査でも事故情報があれば審査が却下されるのと同様で、信用保証協会でも過去の事故は審査でも重要なポイントです。
事業性融資を審査する場合の事故情報は手形不渡りや倒産歴などがあります。
これらの情報があれば審査の通過は難しいでしょう。
また個人事業主や連帯保証人となった代表者の個人情報も調査されます。
信用保証協会は各都道府県にあり、それぞれ銀行系の個人信用情報機関【全国銀行個人信用情報センター(KSC)】に加盟しています。
個人の融資利用で支払遅延や事故情報があっても審査の通過はできません。
KSCは、クレジット系のCICや消費者金融系のJICCと相互交流ネットワークCRINを通じて情報交流していましたが、事故情報においてはKSCからは共有されていません。
ただし、CICやJICCの双方に加盟するクレジット会社や消費者金融での事故情報は、一部共有されているため、審査に影響がでる可能性もあります。
ただし、クレジットや消費者金融での事故情報で参照できるのは一部で、3ヶ月未満の延滞などは参照ができないので影響ありません。
事業計画書は審査に有利
信用保証協会は事故歴がなければ返済能力や融資の必要性を審査します。
返済能力は決算書で判断できますが、融資金額がほんとうに必要なのかどうかは判断できません。
そのため信用保証協会の審査担当者に判断材料を与えるためにも、シッカリとした事業計画書を添付すると審査が通過しやすくなります。
銀行担当者と連携する
銀行を経由して信用保証協会に申込をする場合はなるべく取引の長い銀行を利用しましょう。
取引が長ければ申込企業の業績や経営状況にも精通しているので、保証が通りやすいように働きかけてもらうことができます。
特に企業概要欄や事業計画書といった書類作成に関してはよく相談しましょう。
基本的に信用保証協会は書類審査なので、融資窓口担当者に通りやすい書類の作成をアドバイスしてもらうといいでしょう。
信用保証協会によって審査が違う
信用保証協会は中小企業が金融機関から融資を借りやすくするために設立された公的機関です。
そのため全国各地の信用保証協会で、審査のやり方が異なる部分もあります。
例えば提出された書類だけで審査をする信用保証協会もありますが、経営者と面談して人柄や経営能力を参考にして審査する信用保証協会もあります。
審査基準は各地共通だとしても審査判断の材料が違うということです。
申込する信用保証協会の情報は銀行の融資担当者がよくわかっているので、事前にその特徴を聞いておきましょう。
銀行経由の場合、信用保証協会の前に銀行の審査がある
信用保証協会付きの融資先が倒産した場合、以前は100%信用保証協会から代位弁済(債務弁済)を受けることができましたが、現在は80%となっています。
これを責任共有制度と言いますが、直接融資した銀行にもリスクが発生するので、銀行の事前審査も以前と比べると厳しくなっています。
銀行の事前審査はCICもチェック
銀行はクレジット系のCICに加盟しているので、事故情報だけでなく細かい利用状況もチェックできます。
3ヶ月未満の延滞でも遅延回数が多ければ審査に影響する可能性がるので、個人利用だからといって安心せず、普段から支払いには気をつけておきましょう。
銀行の審査を通過しなければ基本的に信用保証協会への申し込みもできません。
そのため、まずは銀行審査の通過に専念しましょう。
取引が浅い銀行は少額の借入から始める
銀行の責任は20%なので1,000万円の申込であれば、200万円の無担保融資を銀行に申し込みしたときと同じ審査基準ということになります。
そのため新規融資の金額はなるべく少額にして申込すると審査を通過しやすくなります。
とくに銀行との取引も浅い場合は審査が通りにくいので、最初は少額で申込すると信用保証協会と銀行の両方の審査が通りやすくなります。
必要な金額を一度に申込するのではなく一度実績を作るということを考えてみましょう。
資金が必要な時期は必ず伝える
事業資金が必要なタイミングというものがあるので、時期を逸することは避けなくてはいけません。
銀行に申込した段階で必ず必要とする時期を伝えましょう。
通常銀行に申込してから信用保証協会の承認を得て融資実行するまでは1ヶ月程度かかります。
信用保証協会の審査時間は2週間程度ですが、書類の準備や銀行の審査、土日・祝日を除くと最終的に1ヶ月程度は見込んでおかなければなりません。
事前に融資担当者に伝えておけば、可能な限り間に合うように書類作成を急いでくれるでしょう。
それでも間に合わない場合は別の資金調達手段を考えるしかありません。
カードローンの活用
消費者金融などノンバンク系の融資にも、中小企業の代表者や自営業者向けのカードローンがあります。
短期融資が目的であれば、カードローンを活用するというのも一つの方法です。
銀行カードローンには事業者向けはない
銀行カードローンは保証会社付きで発行されていますが、消費者向けの融資で資金使途は個人消費に限られています。
※別途、銀行が発行するビジネスローンもあります。
個人事業主や自営業者が生活資金で利用するのは、事業資金の負担を軽減することにつながります。
しかし、法人代表者が利用しても事業には影響がありません。
銀行カードローンの保証会社は同じ銀行グループの関連会社の消費者金融会社やクレジットカード会社、子会社を活用するケースがほとんどです。
銀行が消費者向け融資に保証会社を使うのも事業性融資に信用保証協会を使うのも理由は同じです。
銀行は貸し倒れの比率を低くしないと金融庁の指導を受けることもあるので、必ず保証会社を付けてリスクを軽減しています。
つまり保証会社を付けることで、3ヶ月以上の延滞があれば保証会社が立て替えて支払うことになり、貸し倒れのリスクがゼロになるのです。
ノンバンク系カードローンは事業者向けがある
過去には事業者向けのローンは商工ローンと呼ばれていて、自己破産者や、自殺者の増加、強引な取り立てが社会問題となった時期があります。
しかし、現在では貸金業法が改正され、貸金業界全体が健全になっているので、安心して利用できます。
また消費者金融会社も銀行の傘下となり健全な経営をしています。
現在の主流はカードローン方式で何度でも繰り返し利用ができるシステムとなっています。
審査に時間がかかる銀行融資などとは異なり、カードローン審査であれば最短1日で審査結果が出ることも多く、緊急時の利用に適している資金調達方法です。
ただし、銀行と比べると高金利であることは間違いないので、利用は短期間に限定することをおすすめします。
おすすめのビジネスローン
プロミスはSMBCグループの消費者金融会社でもある、SMBCコンシューマーファイナンスが提供するサービス名です。
個人向けカードローンのほかに、自営者向けとなる「プロミス自営者カードローン」のサービス提供もしており、事業資金と生活資金ともに利用できるため、使い分けも必要のない便利さがあります。
最大の特徴は、最短即日で事業資金の融資実行が可能な点です。
※お申込み時間や審査によりご希望に沿えない場合がございます。
提出書類は前年度分の確定申告書の写しと事業を疎明する書類(営業許可証・受注書・発注書・納品書など)があればいいので、銀行融資のように書類作成に時間を取られません。
ただし銀行と同じで、個人信用情報機関に事故情報があればもちろん審査は通過しません。
融資額は最大300万円なので、小規模事業主や自営業者におすすめです。
まとめ
信用保証協会の基本方針は、中小企業や小規模事業者が運転資金や設備資金などの事業資金調達をスムーズにできるようにすることです。
銀行のプロパー融資は審査が厳しく連帯保証人や担保も必要となっているので、簡単に申し込みができません。
銀行としても審査が厳しいばかりでは【貸し渋り】という非難を受けるので、信用保証協会付融資には力を入れています。
信用保証協会が存在していることで借りる側、貸す側のどちらにもメリットが生まれているのです。
ちなみに日本政策金融公庫では信用保証協会の利用ができないのは、信用保証協会が民間融資を促進する目的で設立されたからです。
資金調達先はなるべく多く確保することが上手な経営には必要なので、日本政策金融公庫・銀行融資・ノンバンクのカードローンも含めて検討し、資金不足に備えておきましょう。