海外だけでなく日本でも資金調達の方法として、クラウドファンディングが普及し市場規模も拡大しています。
中小企業経営者や個人事業者でも簡単に資金調達できる方法として、購入型クラウドファンディングがあります。
特に商品やサービスを提供する業種はネットで手軽に事業資金調達ができるので、試してみる価値はあるでしょう。
しかしクラウドファンディングを提供している会社はかなりの数があるので、初めて利用する場合は迷ってしまいます。
今回はクラウドファンディング会社の比較と選ぶポイントをご紹介しましょう。
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【ライター】嶋崎 -
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
資金繰りの悩みを解決するためのサービスをすべてを網羅するのは大変です。
一から資金繰りの悩みを調べずとも、「ビズローンで解決できた」が叶うように、全力でサポートします。
クラウドファンディングの仕組みと選び方
購入型のクラウドファンディングでは、プロジェクトを起案してその趣旨に賛同する人から資金を募ります。
調達額が必要な資金の目標額に達すると、プロジェクト起案者はクラウドファンディング会社に手数料を支払います(5%~20%)。
そして出資者には見返り(リターン)として、商品やサービスを提供する仕組みです。
しかし会社にとって手数料の違いがあり、目標額に達しなかった場合の取扱にも違いがあります。
All or Nothing方式とAll In方式
プロジェクトを起案するときは必ず目標金額を設定します。
目標金額に達しなかった場合にどう処理するかという点について2つの方式があります。
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All or Nothing方式
この方式では支援総額が目標金額に達しなければ調達失敗となりますが、プロジェクト起案者は手数料を支払う必要はありません。
その代わり集まった資金を利用することもできません。
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All In方式
この方式は支援金額が目標金額に達していなくても、累計支援額を利用できる代わりに、手数料も全額支払います。
ほとんどのクラウドファンディングではAll or Nothing方式を採用していますが、All In方式も採用している場合はどちらのタイプも選べるようになっています。
選べる場合は、それぞれのメリット・デメリットを考えてどちらの方式にするか選びましょう。
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All or Nothing方式のメリット・デメリット
All or Nothingでは支援者(パトロン)のハードルが下がることで資金が集まりやすくなります。
つまり確実にプロジェクト成功したときだけ決済するので、失敗したときに投資額は戻って来るのでリスクがありません。
資金調達者としては失敗すると資金は1円も集まらないというデメリットはありますが、それだけプロジェクトの成功に集中することになります。
プロジェクト成功に自信がある人はこちらの方式に向いているでしょう。
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All In方式のメリット・デメリット
パトロンにとっては資金提供してプロジェクトが成功しない可能性があるので、敷居が高くなるというデメリットがあります。
しかし起案者にとっては調達成功しなくても、確実に資金調達額を受けることができるメリットがあります。
プロジェクトが失敗しても宣伝としての効果はあるので、手数料を支払っても十分メリットがあります。
クラウドファンディングの手数料と成功率
クラウドファンディングの手数料には2種類あります。
ひとつはクラウドファンディング会社に支払うシステム使用料で、もうひとつは決済手数料です。
プロジェクトの手数料はクレジットカードやPayPalで決済するので、その手数料として5%がかかります。
システム使用料はクラウドファンディング会社によって幅があるので、比較して選ぶのもいいでしょう。
しかし、手数料が高くてもプロジェクトの成功率が高いクラウドファンディングを選ぶという方法もあります。
クラウドファンディングの成功率
クラウドファンディングのプロジェクトが成功するかどうかは、もちろんプロジェクトの内容によることが大きいのは間違いないでしょう。
プロジェクトそのものに魅力がなければ成功する確率は下がります。
しかし、クラウドファンディング会社の知名度も成功率に影響があります。
いくら素晴らしいプロジェクトでも、だれの目にも触れなければ成功はありえません。
つまりクラウドファンディング会社の知名度やバックアップがなければ、成功率は低くなります。
手数料が安いという理由だけで選ばず、成功率の高さも考慮してクラウドファンディング会社を選びましょう。
クラウドファンディングの比較
それではクラウドファンディングの手数料などを比較してみましょう。
クラウドファンディングにはアニメやガジェットに特化したサイトがありますが、なるべく総合的なプロジェクトをスタートできるクラウドファンディングを比較してみましょう。
主なクラウドファンディングの比較表
クラウドファンディング |
手数料 |
成功率 |
課金システム |
---|---|---|---|
READYFOR? |
17% |
70%以上 |
・All or Nothing |
CAMPFIRE |
13% |
60%以上 |
・All or Nothing |
Motion Gallery |
10%(目標達成) |
|
・All or Nothing |
ShootingStar |
20% |
|
・All or Nothing |
GREENFUNDING |
20% |
80% |
・All or Nothing |
Makuake |
20% |
|
・All or Nothing |
moonshot |
無料 |
最高86% |
・All or Nothing |
COUNTDOWN |
20% |
|
・All or Nothing |
WESYM |
20% |
|
・All or Nothing |
FAAVO |
10-20% |
66% |
・All or Nothing |
kibidango |
10% |
80% |
・All or Nothing |
zenmono |
20% |
100% |
・All or Nothing |
クラウドファンディングの選び方
どうしても最初は手数料に目がいってしまいますが、クラウドファンディングの手数料はあまり気にすることはありません。
ほとんどがAll or Nothing方式なので、失敗したときは手数料を支払わなくてもいいのでリスクがないからです。
またプロジェクトを掲載しても掲載料はかかりません。
プロジェクトが成功して資金が調達できた場合、手数料が差し引かれて振り込まれます。
手数料の分だけ資金が目減りしますが、自分で持ち出すお金はゼロなのです。
初めての場合は、むしろ手数料よりも成功率を重視してクラウドファンディングを選びましょう。
プロジェクトの成功率
プロジェクトの成功率は60~80%となっていますが、実際に大手のプロジェクトを確認した結果では成功は1/3というデータもあります。
成功率の高いクラウドファンディングを利用すれば必ず成功するというわけではありません。
むしろ安心して何もしなければ成功しない確率のほうが高いでしょう。
やはりプロジェクトの内容が大きく左右されるといえます。
その中でも成功率を高める方法としては動画の活用があります。
動画を活用してプロジェクトの内容を説明した場合の成功率は50%を超えると言われています。
やはり視覚的な方法で具体的に訴えることが成功率を高めるようです。
また「もの作り」に関するプロジェクトの成功率は100%と言われているので、製造業に関わる事業者はクラウドファンディングを検討するといいでしょう。
自己資金の準備
クラウドファンディングだけでプロジェクトに関わる資金を全てまかなうというのは無理があります。
プロジェクトの目標金額が高くなるほど成功率は低くなります。
All or Nothing方式ではプロジェクトが成功しなければ資金調達はできません。
All In方式でもクラウドファンディングで獲得した資金だけに頼っていては、プロジェクトの実行が難しくなります。
ある程度自己資金も準備しておくことで、All or Nothingでは達成しやすくなり、All Inでもプロジェクトの実行が可能になります。
クラウドファンディングのトラブル
クラウドファンディングは個人でも手軽に資金調達が可能ですが、いいことばかりではありません。
デメリットやトラブルの実態を知ることで、クラウドファンディングを本当に活用することができます。
実際にどんなトラブルがあるのかご紹介しましょう。
プロジェクト失敗によるトラブル
資金集めに成功してもプロジェクトが失敗してしまうことがあります。
計画よりも資金がかかってしまったというのが、その原因の大半を占めています。
つまりプロジェクト起案者の必要資金に対する調査が甘かったということになります。
この場合支援者にリターンンがなくなり、出資金も戻らないというトラブルになります。
支援者はこのようなリスクがあることは常に念頭に置いておきましょう。
またプロジェクト起案者も事前にコストを充分に検討することが必要です。
しかし、このようなトラブルを避けるために、運営会社側もプロジェクトの審査を行なっています。
トラブルを避けるためにも最初は実績のあるクラウドファンディングを選択するのもひとつの方法です。
国内で最初にサービス開始した「READYFOR?」やプロジェクト掲載数で国内NO1の「CAMPFIRE」などがおすすめです。
転売トラブル
クラウドファンディングでは新しく開発した製品を支援者へのリターンとして設定する場合があります。
支援者にとっては新商品が安く手に入るのでメリットがあり、プロジェクトの成功率も高くなります。
しかし資金を早く手に入れるために大量の商品をリターンとして設定してトラブルになることがあります。
つまり支援者が大量の商品を転売してしまうのです。
これはプロジェクト起案者の利益を損ねることになるので、リターンの設定は適切なものにしましょう。
運営者もこのようなトタブルを避けるために、リターンの設定にはある程度の制限を設けています。
まとめ
クラウドファンディングは個人事業主や中小企業が、いわば不特定多数の個人投資家から資金を調達できるシステムです。
しかし、クラウドファンディングの運営者は複数あり、それぞれ特長があります。
まずは自社の事業に最も適したクラウドファンディングを探すことから始めましょう。
それにはクラウドファンディング会社をよく比較することが大切です。
手数料やシステムで選ぶことも必要ですが、ホームページで実際のプロジェクトの内容を確認してみましょう。
やってみたいプロジェクトに近いものがあれば、それを参考にしてクラウドファンディングにトライするといいでしょう。
銀行融資による資金調達だけでなく、幅広い資金調達方法があれば事業運営も楽になります。